渋みがない甘口の白ワインは、普段ワインを飲まない人にも飲みやすいワイン。今回はそんな甘口白ワインの魅力を徹底紹介！選び方、楽しみ方もレクチャーします！

甘口ワインはアルコール発酵を途中でストップさせて、ブドウの糖度を残しています。途中で発酵を止めているので、アルコール度数も低いものが多くなっています。

甘口ワインを造るには甘いブドウを収穫するのが不可欠。収穫を遅らせてブドウの糖度を高めたり、干しブドウのように干してから圧搾(あっさく)したり、様々な方法で糖度の高いブドウが作られています。

かき氷のシロップを飲んでも美味しくないように、ただ甘いだけでは美味しいワインにはなりません。甘口ワインで大切なのは酸味です。甘さに負けない酸味と白ブドウの持ち味のミネラル感が合わさることで絶妙なハーモニーが生まれ、エレガントな甘口ワインができるのです。

世界では色々な種類の甘口白ワインが造られており、その代表的なものを紹介します。

ブドウの果皮を「ボトリティス・シネレア」と呼ばれる菌に感染させ、わざと腐らせます。このブドウは「貴腐(きふ)ブドウ」と呼ばれ、非常に糖度が高まります。このブドウを使った貴腐ワインは、熟れた香りが増し、希少価値が高い高貴なワインとして、ヨーロッパで古くから愛されてきました。 フランスではフォアグラのソテー、ロックフォールチーズなどの青かびチーズと合わせるのが鉄板のマリアージュ。チーズの塩味と旨味、ワインの甘さが奏でるハーモニーがたまりません！

フランスのソーテルヌ、ドイツのトロッケン・ベーレンアウスレーゼ、ハンガリーのトカイ・アス―は世界3大貴腐ワインと呼ばれ、特に質の高いワインが造られていることで有名です。

水分が凍り、糖分が凝縮したブドウから造られるのがアイスワインです。生産はブドウが凍るようなカナダ、ドイツなどの寒い地域に限られており、さらに激しい霜が降るときのみできるため自然環境に左右され、毎年必ず造ることができません。地球温暖化の影響で、年々生産するのが難しくなっており、貴重価値が高くなっています。

食前酒や食後のデザートワインとして楽しむなら極甘口ワインを。食中ならば料理に合わせやすいやや甘口を選びましょう。

甘口ワインは食欲を増進する働きがあると言われ、食前酒として楽しむのもおすすめです。チーズやナッツなど簡単なおつまみも、甘口ワインがあればさらにおいしく楽しめます。

食事に甘いのはちょっと、と思うかもしれませんが、甘口白は意外と料理に合わせやすく食中酒としておすすめです。特にチーズやスパイスの効いた料理と相性がよく、普段ワインを合わせないタイ料理やインド料理、中国料理にもマッチします。

アイスクリームにかけて食べるのがおすすめ！普通のバニラアイスもレストランのデザートに変身します。チョコレートやチーズケーキにもよく合います。

ちなみに貴腐ワインやアイスワインはその希少性から高価なものが多いですが、ハーフボトルも多く揃っており、普通サイズのボトルの半値で手に入れることができます。また抜栓してから冷蔵庫で2週間程度は保存ができるので、極上ワインを毎日少しずつ飲む！といった楽しみ方もできます。

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シャトー・ディケムはソーテルヌのなかでただ一つ1級に格付けされた貴腐ワインの最高峰。ワイン愛好家なら一度は飲んでみたい銘酒です。
なかでも1999年は当たり年で、リュール・サリュース家によってワイン造りが代々引き継がれた最後の年。ワイン専門誌「ゴーミヨ」で97点を獲得し、「過去でも3指に入るグレートヴィンテージ」と評価されています。

ドライフルーツやはちみつ、スパイスなどの香り、口当たりは滑らかで、豊潤な果実味を上品な酸とミネラルがまとい、口中に極上の味わいが広がります。大切な記念日や大切な人に贈るプレゼントにふさわしい贅沢なワインです。

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ワイナリーのディズノクは1743年にハンガリー王室から特級畑に格付けされたブドウ畑を所有。東欧で最も由緒ある畑として称えられています。野生の花やパイナップル、白い果実やアプリコット、プラム、ネクタリンの香りが広がり、口に含むとハチミツのような甘味が広がります。エレガントな酸と甘味のバランスが素晴らしいワイン。そのまま飲むのはもちろん、ケーキやチョコレートとともにデザートワインとして楽しむのもおすすめです。

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糖度を上げるため、ぶどうの粒が凍るまで収穫を遅らせて造られるアイスワインは、神が生んだ自然の力と人間の創意工夫を結集させたまさに芸術品。冬の寒さで自然に樹上で凍結したぶどうを、気温がマイナス7度以下になったときに手摘みで収穫し、凍ったまま圧搾して造られます。

収穫できる果汁は非常に少なく、ぶどう一房からスプーン一杯程度しか搾れません。そのため、凝縮された濃厚な甘みとフルーティな香りが生まれます。とろけるような甘さと、ぶどう由来の爽やかな酸味が絶妙なバランスを生み出しています。

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モーゼル地方のワインは、フレッシュな果実味が特徴で、甘さと酸味のバランスが取れている飲みやすさが自慢です。モーゼルワインの象徴とも言えるリースリング種の白ワインは、エレガントな酸味と長く楽しめる余韻が世界中で評価されています。

1450年以来モーゼルでぶどうを育ててきたカルフェルツ･ファミリーの現当主、アルベルト･カルフェルツは革新的かつ野心的な理念の持ち主ですが、品質重視を貫いています。発酵を早めに止めることで、より果実味を残しながらアルコール度数を低く抑え、甘さと酸味のバランスが完璧なこのワインでリースリング・ファンを唸らせています。

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日本の甘口白ワインの代表的銘柄の一つ「おたるワイン」。その「おたるワイン」の代名詞ともなっているのが「おたるナイアガラ」で、圧倒的人気を誇るこのワインに使用されるナイヤガラ種とポートランド産ナイアガラ種で醸造した新酒ワインです。初しぼりシリーズで最も人気の高いぶどうの組み合わせをブレンド。

まるでぶどうをそのまま頬張っているような豊かな果実香とフレッシュでジューシーな甘さ。北海道をはじめとする日本国内のぶどう農家が丹精して育んだ、生食用ぶどうの果実味を存分に楽しめます。

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冷涼なドイツのリースリングらしく、ミントや柑橘系(かんきつけい)の香りにミネラル、特有のぺトロール（石油）香が感じられます。熟した果実のような甘味があり、キリっと冷やして飲むのがおすすめです。

ミネラル感があるので、海老グラタンやカニクリームコロッケなど魚介類を使ったクリーム料理と相性抜群。アルコール度数も9.5％と低めなので、初心者におすすめの飲みやすいワインです。

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ベアフットはカリフォルニアの名門E.＆J.ガロワイナリーが手がける甘口ワインシリーズ。
柑橘系の香りと爽やかな甘味があり、微発砲なので冷やして飲めばさらにスッキリと楽しめます。
後味のライムの風味が、スパイシーなメキシコ料理にピッタリ。レモンを入れたコロナビールの感覚で、タコスやトルティーヤと一緒にぜひ試してみて！

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シェリー、ポートワインと並んで世界三大酒精強化ワインの一つに数えられるマデイラワインは、その名の通りポルトガルのマデイラ島で造られています。アルコール度数が高いので、食前酒や食後酒として、またロックやソーダ割りなど、さまざまな楽しみ方ができます。

ヴィニョス･バーベイト社は、世界的ワインジャーナリストのジャンシス･ロビンソンが、そのエレガントさからマデイラのシャトー･ラフィットと称賛。3カ月間エストゥファ方式（人工加温熟成）で加熱処理後、さらに約3年間の樽熟成を行っています。口に含むと、ふくよかな甘味が広がります。

いかがでしたか？
密のようにとろける甘口白ワイン、おいしくてどんどん飲んでしまいそうですね。アルコール度数が低く初心者にも親しみやすい味わいなので、ぜひ試してみてくださいね。
あなたもきっと優美な甘口白ワインの虜になること間違いなし！