最高級ワインと言えばこれ!
誰もが憧れるロマネ・コンティについて詳しくご紹介!
“ワインの王様”と呼ばれ、最高級ワインの代名詞となっているブルゴーニュワインは、いつの時代も世界のワイン愛好家を魅了し続けてきました。あの有名な「ロマネ・コンティ」や「シャブリ」も、誇り高きブルゴーニュワインの銘柄のひとつです。
こうした世界最高峰のワインはもちろんのこと、家庭でちょっと贅沢をしたいときに楽しめる、コスパの高いブルゴーニュワインもあります。今回はそんな幅広いワイン愛好家に愛される、ブルゴーニュワインの魅力と合わせて誰もが知るロマネ・コンティについてご紹介しましょう。
ロマネ・コンティが生まれたブルゴーニュワインってどんなワイン?
ブルゴーニュワインは、フランス東部のブルゴーニュ地方で作られるワインのことです。ブルゴーニュはボルドーと並んでフランスを代表するワインの銘醸地で、その理由はこの地域の気候と土壌が、ワイン造りに非常に適していることにあります。
ブルゴーニュ地方にはゆるやかな丘陵地が広がり、気候は冷涼で昼夜の気温差が激しく、まさにワイン造りに最適な環境といえるでしょう。土壌には少しずつ成分の異なる地層が重なり、大陸と地中海、海洋の3つの気候の影響を受けるため、類い稀なる個性をもつワインに仕上がります。
ブルゴーニュがいかにワイン造りに適した土地であるかは、その歴史がはるか紀元前600年頃に遡ることからも想像できます。かつてブルゴーニュ地方には修道院が数多くあり、修道士たちが熱心にワインの研究を行って、いまの銘醸地の原型をつくったと言われています。
ブルゴーニュワインの代表的な銘柄&生産地区
ブルゴーニュの中心都市ディジョンから、ソーヌ川の下流を通って南のリヨンに至るまでの地域は、ブルゴーニュのワイン街道と呼ばれています。
丘陵地には見渡す限りのワイン畑が広がり、赤・白ともに個性溢れる豊かな味わいのワインが生産されています。ここでは、ブルゴーニュワインの代表的な銘柄&生産地区である「ヴォーヌ・ロマネ」と「シャンベルタン」「シャブリ」について、ご紹介しましょう。
1.ヴォーヌ・ロマネ
「ヴォーヌ・ロマネ」は、コート・ド・ニュイ地区の中南部に位置する赤ワインの村名AOCで、「ブルゴーニュの丘の中心に輝く宝石」と称えられるほど、世界的に名高いワインの銘醸地です。
コート・ド・ニュイ地区のテロワールは、北と南で性質が大きく異なります。北側では酸が高く繊細で優美なワイン、南側では骨格がしっかりとしたパワフルなワインができるのですが、ヴォーヌ・ロマネはその中間に位置するため、両方の良さを兼ね備えた絶妙なバランスのワインになるのです。
また、土壌の素晴らしさも、ワインのテイストに大きな影響を与えています。ヴォーヌ・ロマネの土壌は石灰岩の岩層の上に粘土が混ざり合う石灰質土壌で、力強さの中にも繊細なエレガンスを感じさせる、独特の味わいを生み出すことができます。
こうした最高の条件で生まれるヴォーヌ・ロマネのぶどう品種は、ピノノワールです。代表的なワインの銘柄としては、たとえば「エマニュエル・ルジェ」があります。「ブルゴーニュワインの神」と謳われたアンリ・ジャイエ氏の後継者が造る至高のワインで、入手困難なドメーヌのひとつとして、多くのワイン愛好家から絶賛されています。
他にも「ジャン・マリー・フーリエ」「ルイ・ジャド」「ドメーヌ・ジャン・グリヴォン」など、ヴォーヌ・ロマネには数々の最高級ワインがあります。
2. ジュヴレ・シャンベルタン
「ブルゴーニュの王」と呼ばれ、ナポレオンが愛したワインという逸話があるのが、「シャンベルタン」です。シャンベルタンは、ヴォーヌ・ロマネと並び称されるブルゴーニュワインの銘醸地、「ジュヴレ・シャンベルタン」で生まれるワインのことです。赤ワインのみが村名AOCを名乗ることができます。
ジュヴレ・シャンベルタンは、世界有数のぶどう畑が広がるコート・ドール県コート・ド・ノイ地区にあり、9つのグラン・クリュ(特急畑)をもっています。気候は冷涼で、水はけの良い石灰土壌なのでぶどうの成長が早く、地形が隆起しているため陽当たりも抜群です。
早々と実ったぶどうは、長期間日光を浴びることで、色が濃く果肉の厚いぶどうに仕上がります。この力強いぶどうから、ワイン愛好家を魅了してやまない、奥深い味わいのジュヴレ・シャンベルタンのワインが誕生するのです。
ジュヴレ・シャンベルタンのぶどう品種は、ピノノワールです。代表的な銘柄としては、350年以上の伝統を誇る老舗ドメーヌの「ベルナール・デュガ・ピィ」をはじめ、“伝説のピノ・ファン”と呼ばれる素晴らしい畑をもった「アルヌー・ラショー」、クラシカルでありながら華やかさをもつワイン「フェヴレ」などがあります。
3. シャブリ
ワイン愛好家はもちろん、ワインを飲まない人でも、「シャブリ」の名称は聞いたことがあるかもしれません。シャブリはブルゴーニュ地方の一番北にあるヨンヌ県シャブリ地区で作られる、シャルドネ種の白ワインです。
シャブリ地区の気候は遅霧に悩まされるほど冷涼で、石灰岩と泥灰岩に小さな牡蠣の化石を含んだ、「キメリッジアン土壌」と呼ばれる特殊な土壌に特徴があります。この気候と土壌が、世界に名だたるシャブリワインの、個性的な味わいにつながっているのです。
冷涼な気候はフレッシュで爽やかな酸味を、そして特殊な土壌はミネラリティに富んだ、やや火打石のような風味を感じさせます。
シャブリには「シャブリ・グラン・クリュ(特級)」「シャブリ・プルミエ・クリュ(1級)」「シャブリ」「プティ・シャブリ」の4つのAOCがあります。
代表的な銘柄には、優美で品格ある味わいの「フランソ・ラヴノー」をはじめ、透明感とスケール感のあるシャブリの最高峰「ロン・デパキ・グランクリュ・ムートンヌ」、優れたバランス感覚をもつ長期熟成ワインの「ヴァンサン・ドーヴィサ・プルミエクリュ」などがあります。
ヴォーヌ・ロマネ随一のワイン「ロマネ・コンティ」とは
ブルゴーニュワインの銘醸地、ヴォーヌ・ロマネ随一のワインといえるのが、あの世界最高峰のワインである「ロマネ・コンティ」です。普段あまりワインを飲まない人でも、「一度はロマネ・コンティを飲んでみたい」と思っている人も、多いのではないでしょうか?
ロマネ・コンティとは、ピノノワール種のグラン・クリュ(特級畑)の名前であり、そこで生産される赤ワインの名前でもあります。ここでは、ロマネ・コンティがなぜ世界のワインの最高峰なのか、その魅力の裏側をご紹介しましょう。
世界トップクラスの希少ワイン!
ロマネ・コンティの畑の広さは、わずか1.8ヘクタールしかありません。さらに栽培方法や醸造方法においても徹底的にこだわっているため、そこで生産されるワインの本数は極めて少なく、世界でトップクラスの希少ワインとされています。
ロマネ・コンティの畑はグラン・クリュ(特級畑)に囲まれ、東南東を向いた日当たりの良い土地にあります。土壌は複雑な地層をしていて、上部は石灰質でやせているため、ぶどうの根が深く伸びてミネラルなどを吸収し、独自の味わいを造り上げています。
高品質の秘密は”特別な生産方法”にあり?
ヴォーヌ・ロマネ村にはさまざまなぶどうの生産者がいますが、ロマネ・コンティは、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ(以降、DRC)が所有するモノポール(単独所有畑)で、ロマネ・コンティといえばDRCのワインしかありません。
DRCのぶどう造りにかける情熱はものすごく、「ビオディナミ農法」という特別な有機栽培農法でぶどうを育てています。畑の耕作は馬が行い、農薬や除草剤を一切使わず、手摘みで収穫をして厳しく選果します。
ぶどうを熟成させる樽にはトロンセ産の新樽のみを使い、熟成期間や澱引き、濾過、ぶどうの移動方法にもおいても、徹底して時間と労力を費やすのです。
こうして生まれたロマネ・コンティは、個性的であるとともに繊細かつ複雑で、他のどのワインも真似のできない高品質のワインに仕上がります。その官能的な味わいは、「飲み手の魂を吸い取る」とまで言われるほどです。
ローマ時代から続くロマネ・コンティの歴史
ロマネ・コンティの歴史は、はるかローマ時代にまで遡ります。ロマネ・コンティの畑がある土地では、もともと2000年前のローマ時代から、ぶどう栽培とワイン造りが行われてきました。ローマ人は極上のワインが生まれるその地を、「ロマネ」と名付けたとされています。
10世紀以降は、修道院が畑を所有していました。18世紀にはルイ14世が、ブルゴーニュの中でとびきりの美酒だったロマネ・コンティを、治療薬として毎日スプーンに数杯飲んだという逸話もあります。
1942年以降は、ブルゴーニュの名門であるド・ヴィレーヌ家とルロワ家が共同でDRCを経営し、ロマネ・コンティの生産・販売を行っています。
オベール・ド・ヴィレーヌ氏は今も現役ですが、女性醸造家として知られるラルー・ビーズ・ルロワ氏は、1992年に代表を辞任。現在はルロワ氏の甥であるドメーヌ・プリューレ・ロックの当主、アンリ・フレデリック・ロック氏が、オベール氏とともにDRCの代表となっています。
権力者が奪い合った魔性のワイン
ロマネ・コンティの歴史は権力者が所有権を奪い合った、魔性のワインの歴史でもあります。
ロマネ・コンティの評判があまりに良いため、18世紀に王侯貴族たちがその畑を手に入れようと競い合い、ルイ15世の公妾であるポンパドゥール夫人とコンティ公爵との間で、争奪戦が行われたのです。
その結果、1760年にコンティ公爵が所有権を勝ち取り、この畑をロマネ・コンティと名付けました。戦いに負けたポンパドゥール夫人は激しく怒り、それ以降ベルサイユ宮殿からすべてのブルゴーニュワインを閉め出したとも伝えられています。ロマネ・コンティのあまりの美味しさは、人を争いにまで発展させることもあったのですね。
おすすめブルゴーニュワイン
ブルゴーニュワインの中でも高品質なものの数万円台でお買い求めいただけるおすすめワインをご紹介します。
ヴォーヌ・ロマネの中でも、高品質で滑らかな口当たりが際立つ一級畑「レ・ボーモン」
2013 ルイ・ラトゥール ヴォーヌ・ロマネ・レ・ボー・モン / ルイ・ラトゥール
ルイ・ラトゥールの特級畑で造られる最高級のワイン
2013 ルイ・ラトゥール ロマネ・サン・ヴィヴァン・レ・キャトル・ジュルノ―
複数の畑をブレンドすることで生まれる厚みと複雑さが至極の1本
2016 ジャン・グリヴォ ヴォーヌ・ロマネ / ジャン・グリヴォ
ワイン好きが愛してやまないブルゴーニュワイン
今回はフランスのブルゴーニュワインについて、ご紹介しました。2000年以上もの長い間、ひたすらにワインを造り続けてきた、世界を代表する銘醸地ブルゴーニュ。ワイン街道一帯は、土壌といい気候といい、まさにワインを作るためだけにある、特別な場所といえるでしょう。
ブルゴーニュの街には、いまだに中世の建造物が残っていて、ワイン畑の景観と溶け合っているようです。ブルゴーニュワインを味わいながら、そんなブルゴーニュの風景に思いを馳せてみるのも、いいかもしれません。
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