カリフォルニアの代表品種「ジンファンデル」とは?おすすめワイン7選もご紹介
「フルボディの赤ワインを、カジュアルに楽しみたい」という方におすすめなのが、「ジンファンデル」です。
ジンファンデルは、カリフォルニアの代表的な黒ブドウ品種。メルローやピノ・ノアールのように有名ではありませんが、フルボディで香りが高く、とても力強くて濃厚な味わいのワインです。
この記事では、そんなジンファンデルの特徴や魅力、代表的な産地、おすすめのワイン、ジンファンデルに合う料理などをご紹介しましょう。
ジンファンデルとは?
「ジンファンデル」とは、アメリカのカリフォルニア州とイタリアのプーリア州で主に栽培されている、赤ワイン用の黒ブドウ品種のことです。アメリカではカベルネ・ソーヴィニヨンやメルローと並ぶ主要品種として、多くの人々に親しまれています。
ジンファンデルのブドウ品種から生まれるワインは、骨太でしっかりとした味わいがあります。フルボディのどっしりとしたワインが好きな人にとっては、とても満足感の高いワインでしょう。
ジンファンデルには赤ワインだけでなく、「ホワイト・ジンファンデル」といって、やや甘口で淡いピンク色のロゼワインもあります。
個性の強い赤ワインとは違って、ソフトな味わいのフルーティでみずみずしいワインなので、強めのアルコールが苦手な方にはおすすめです。
ジンファンデルの歴史
ジンファンデルのルーツは、最古のブドウの一種といわれる、クロアチア原産の「ツーリエンナーク・カーステランスキー」です。
この黒ブドウ品種は、2つのルートを通って世界に伝えられました。ひとつはアドリア海を超えてイタリア半島にもたらされ、「プリミティーヴォ」と呼ばれてプーリア州で栽培されました。
そしてもうひとつのルートは、19世紀前半にアメリカに苗木が持ち込まれ、「ジンファンデル」としてカリフォルニア州で栽培されました。
以来100年近く、カリフォルニアでは独自のブドウ品種として栽培してきたのですが、1990年代にイタリアのプーリア州で栽培されている「プリミティーヴォ」と同じDNAだということがわかったのだそうです。
もちろん、同じDNAを持っているとはいえ、産地によってテロワールや栽培方法、醸造方法も異なるので、ジンファンデルとプリミティーヴォはそれぞれに独特の味わいを持っています。
ジンファンデルの特徴とは?
ジンファンデルのブドウ品種は色がとても濃く、果皮は薄めです。ブドウの熟成の程度にばらつきがあるので、果粒によっては多くの糖分を含むこともあり、濃い色調でアルコール高めの、しっかしたボディのワインに仕上がります。
ブドウ品種を栽培する地域によっても、特徴は異なります。ナパヴァレーのような冷涼な気候で育てられたブドウから造られるジンファンデルは、チェリーやラズベリーのような豊かな果実味を感じ、酸味のほどよいワインに仕上がります。
温暖なソノマカウンティーで育ったブドウから造られるジンファンデルは、ベリー系の風味にブラックベリーやクローブ、コショウのスパイシーな香りを感じるでしょう。
ジンファンデルの味わい・香り
同じワイン品種でも、イタリアのプリミティーヴォは酸味が強いのですが、ジンファンデルはそこまで酸味が強くはありません。果実味が豊かなので、甘みのあるソースとよく合い、焼き肉やお好み焼きなどとも好相性です。
香りも高く、サクランボや黒すぐりの香りと、クミンやこしょうのスパイスをミックスしたような、強い香りが楽しめます。
スパイスの風味が強いので、ジビエや羊肉などと一緒に飲んでもいいでしょう。ハーブやスパイスを使った家庭料理ともよく合います。
ジンファンデルの主な産地
ジンファンデルの主な産地として、アメリカのカリフォルニア州と、イタリアのプーリア州をご紹介しましょう。
同じブドウ品種を使いながらも、産地によって味や香りは違ってくるのが、ワインの面白さでもあります。それぞれの産地の個性を知ることで、お好みのワインをよりスムーズに選ぶことができるでしょう。
カリフォルニア(アメリカ)
アメリカのカリフォルニア州では、シエラ・フットヒルズ、ソノマ、パソロブレスの地域で、ジンファンデルが栽培されています。
この地域は、夏は温暖で冬は雨が多い地中海気候です。ジンファンデルだけでなく、カベルネ・ソーヴィニヨンやシャルドネ、ピノ・ノワールなども栽培されており、一大ワイン産地となっています。
カリフォルニアのジンファンデルは、イタリアのジンファンデル(プリミティーヴォ)に比べてベリー系の果実味が豊かで、酸は抑えめです。
実はジンファンデルには、害虫被害を受けて衰退してしまった時期もありました。1880年代には大量に栽培されていたジンファンデルでしたが、害虫の影響で1980年以降は多くの畑が別品種に植え替えてしまい、衰退の危機にあったのです。
でも、そのときにロゼワインの「ホワイト・ジンファンデル」の人気が高かったので、植え替えられずに済んだ古木があり、今もジンファンデルのブドウ畑で活躍しています。
イタリア
イタリアのプーリア州では、主にマンドュリアという地域でジンファンデル(プリミティーヴォ)が栽培されています。
イタリアはもともと温暖な地中海性気候ですが、その中でもプーリアは雨が少なく、ブドウの栽培に適しています。
イタリアのジンファンデル(プリミティーヴォ)は、カリフォルニアのジンファンデルに比べてフルーティな香りに特徴があり、酸味もしっかりと感じられます。
1974年に「プリミティーヴォ・ディ・マンドゥリア」がDOC(原産地認定)を取得し、2011年には、「プリミティーヴォ・ディ・マンドゥリア・ドルチェ・ナトゥラーレ」が、イタリア格付け最上級のDOCG(保証つき統制原産地呼称)を取得しました。
ジンファンデルのワインに合う料理とは?
ジンファンデルのワインに合う料理にはさまざまありますが、代表的なのは肉料理です。ステーキやハンバーグ、バーベキュー、照り焼きチキン、ビーフシチュー、ジビエ、羊肉など、さまざまな種類の肉料理と好相性です。
和食との相性も抜群で、焼き鳥やとんかつ、お好み焼きなど、甘いソースのかかった料理によく合います。
ロゼワインのホワイト・ジンファンデルは、おつまみとしてのアペロや、食前酒、食後のデザートにピッタリです。
一口にジンファンデルといっても、カリフォルニア産かイタリア産かによって味わいが異なり、合う料理も異なります。その点も考えつつ、ワインと料理のペアリングを工夫しましょう。
ジンファンデルのおすすめワイン7選
では、ジンファンデルから造られるおすすめのワインを、7つ厳選してご紹介しましょう。ジンファンデルのワインはコスパが高く、品種や製法にこだわり抜いたワインでも、比較的リーズナブルに購入できます。
肉料理や和食ともとても相性がいいので、お好みのタイプのジンファンデルを選んで、料理とのマリアージュをお楽しみください。
マンモス ジンファンデル
マンモスのラベルが印象的な赤ワイン。オーク樽で8ヶ月間熟成した、やや辛口の赤ワインです。力強い味わいと、プラムやスパイスの繊細な香りを楽しむことができ、濃厚でまろやかなワインがお好きな方にはピッタリです。
タンニンが豊富で、インパクトの強いテイストなので、ステーキやバーベキューのように豪快な肉料理に合う赤ワインです。
アイアンストーン ジンファンデル
果実味とスパイシーさのバランスが絶妙な赤ワイン。最優秀栽培農家賞を受賞したワイナリーのアイアン・ヴィンヤーズが作る、フルボディのジンファンデルです。
ラズベリーやブラックペッパーのスパイシーな風味と、オークやバニラのほどよい香りがあり、複雑さと奥行きの深さを感じさせます。
口当たりはまろやかで、渋みはあくまで穏やか。フルーツ感あるジューシーなワインなので、ワイン初心者から愛好家まで楽しめます。
レーヴェンスウッド ヴィントナーズブレンド ジンファンデル
ジンファンデルに特化した「レーヴェンスウッド」というワイナリーが醸造。ジンファンデルを80%ブレンドしたワインで、タンニンがやわらかく酸味も爽やかなので、人を選ばず誰にでも楽しめるテイストになっています。
スパイスのアクセントも効いていて、熟したラズベリーやブラックチェリーの香りがあり、とてもまろやかなワインです。
パパーレ・プリミティーヴォ・ディ・マンドゥーリア・リネア・オーロ
2017年のサクラインアワードで「ダブルゴールド」を受賞した、ヴァルヴァリオーネの人気ワイン。その美味しさはお墨付きです!
樹齢50年以上のブドウだけを使ったプリミティーヴォ(イタリア・プーリア州のブドウ品種)で、濃密な果実味とスパイスが混ざり合って生まれる、芳醇なアロマをお楽しみください。
アルコール感とタンニンがしっかりと感じられ、複雑で重厚な味わいのワインなので、赤身のお肉からジビエ、熟成チーズまで、さまざまな料理によく合います。
カーニヴォ ジンファンデル
肉好きの人におすすめのワインです!「カーニヴォ」は肉好きな人や肉食動物を表す言葉で、その名の通り肉に合わせるための専用ワインです。肉食獣が爪でひっかいたようなラベルのデザインは、肉専用のワインであることを示しています。
フルボディのジンファンデルは力強くジューシーで、肉料理にピッタリ。スパイシーな香りとスムーズな口当たりは、ステーキやハンバーグ、熟成肉、シチュー、照り焼きチキンなど、さまざまな肉料理の味を引き立ててくれるでしょう。
チャンキー レッド・ジンファンデル
ゾウが自転車に乗ったキュートなラベルが印象的!濃い色見とスモーキーで深みのある味わいが特徴的なワインです。
口当たりはとてもやわらかく、それでいてフルボディのしっかりとした強さもあり、ハンバーガーやステーキなどの肉料理とよく合います。
古木から収穫した濃厚で凝縮されたぶどうを使い、アメリカンオークの新樽を使って発酵・熟成させました。オークやダークベリー、ペパーミント、バニラ、コーヒー、リコリスの香りが、豊かに感じられるワインです。
アデュレーション ジンファンデル
ジンファンデルならではの個性をしっかりと感じたい人には、ジンファンデルを100%使用し、アメリカンオーク樽で8ヶ月熟成させた「アデュレーションジンファンデル」がおすすめです。
あざやかなルビーレッドの外観。口に含むとブラックベリーやアメリカンチェリーなどの果実味を豊かに感じ、バニラやスパイス、ココアなどの香りが広がるのを感じるでしょう。
タンニンの渋みや酸味もほどよく、なめらかな口当たりで果実味も重た過ぎず、全体的な質の高さが際立つ満足度の高いワインです。
【まとめ】料理とのペアリングを意識して、さらにワインを楽しもう!
カリフォルニアで愛されているフルボディのワイン、「ジンファンデル」についてご紹介しました。ジンファンデルのように、高品質な美味しいワインでありながら、まだ日本ではあまり知られていないワインが、数多くあります。
この機会にぜひお試しいただき、料理とのペアリングも意識していただけると、さらにワインを深く楽しめるのではないでしょうか。
イオンではさまざまなジンファンデルの商品や、お得に楽しめるセット商品も多数ご用意しておりますので、お気軽にご利用ください。