身も心も温まる!冬の定番「ホットワイン」のすべてをご紹介
ヨーロッパの冬の風物詩のひとつホットワイン。寒いドイツやフランス、北欧地方のクリスマスシーズンには欠かせない飲み物です。
甘く、スティルワインに比べ度数が低いホットワインは、アルコールの苦手な方にもおすすめのワイン。寒い季節、ホットワインで身体を温めませんか。
ホットワインってどんなワイン?
ホットワインとは、赤ワインにシナモンやクローブ、スターアニスなど、香りが強い香辛料、さらにオレンジピールなどのフルーツや砂糖、シロップを加え、火にかけ温めて飲むワインカクテルのことです。
このホットワインという呼び方は和製英語で、ドイツではグリューワイン、フランスではヴァン・ショー、イギリスではマルドワインと呼ばれています。また、スウェーデンやデンマーク、ノルウェーなどの北欧ではグロッグと呼んでいます。
ホットワインは温めて飲むので、アルコール分が飛んでおり、一般的なスティルワインと比べるとマイルドな味わいとなっています。そこで、飛んだアルコール分を補うために、ラム酒などを足して飲むこともあります。
おうちで手軽に作れるホットワインのおすすめレシピ3選!
ホットワインはおうちでも簡単に作れるのが魅力です。余ったワインに、スパイスやフルーツ、シロップ(砂糖)を加えて温めるだけで、ホットワインが完成します。加熱するので、抜栓して時間が経ちアルコールが抜けたワインでもOKです。
スパイスはシナモン、クローブ、スターアニス、カルダモン、ナツメグ、ジンジャーなどが使われますが、どれを使わなければいけないという決まりはありません。お好みの香りをチョイスしましょう。
また柑橘系のフルーツを入れるのもオススメです。オレンジピールがよく使われますが、マーマレードジャムやミカンの実を加えても、爽やかにいただくことができます。
簡単!基本のホットワイン
材料を揃える手間を省き、できるだけ簡単にホットワインを楽しみたい方のための簡単レシピです。
<用意するもの>
赤ワイン(マグカップ1杯程度)
はちみつ(小さじ1杯分の砂糖でもかまいません)
カットレモン(1切れ)
<作り方>
1.赤ワインをマグカップに入れて電子レンジ(500W)で1分~1分半程度加熱します
2.はちみつ(あるいは砂糖を小さじ1杯程度)をお好みに合わせて適量を赤ワインに入れて混ぜます
3.カットレモンを浮かべて出来上がり
スパイス香る本格ホットワイン
もう少し手間をかけてスパイスを使った本格的なホットワインを楽しみたい!という方に向けた本格系レシピを紹介します。
<用意するもの>
赤ワイン(180ml程度)
水(100ml程度)
砂糖(大さじ2杯程度)
シナモンスティック(1本)
クローブ(2本)
薄切りオレンジ(1/4個分)
輪切りレモン(1枚)
※スパイス、フルーツはお好みで加減してください
<作り方>
1.シナモンスティックを砕いておきます
2.鍋に水、砂糖、シナモンスティック、クローブ、オレンジ、レモンを入れて火にかけます
3.鍋が煮立ったら弱火で2分~3分程度、煮ます
4.煮立った鍋に赤ワインを加えてさらに温めます
5.温まったらできたホットワインをこして、グラスに注いで出来上がり
白ワイン系ホットワイン
渋みのない白ワインを使うと、スッキリと上品な味わいのホットワインが楽しめます。ジンジャー入りで体の芯から温まるので、寒い北欧では寝る前に飲まれています。
<用意するもの>白ワイン(300ml程度)
ハチミツ(大さじ1杯~1.5杯分) ※砂糖でもかまいません
ショウガ(1かけ分) ※チューブでも可能です
<作り方>
1.ショウガをおろしておきます(チューブを使う場合には不要です)
2.白ワイン、ハチミツ、ショウガをマグカップに入れて軽く混ぜ、電子レンジ(500W)で2分程度加熱します
3.グラスに注いで出来上がり
上記の3つ以外にも詳細にホットワインのレシピについて知りたい方はこちらのコラムをご確認ください
ホットワインにおすすめのワイン2選
ホットワインは甘味を加えて温めて飲むので、コスパのいいお手頃ワインでもおいしく作れます。選ぶポイントは、はちみつやレモン、スパイスの風味を引き立てるようなフレーバーがあること。
残ったワインをブレンドしてもOKです。
アロマティックな香りがフルーツに好相性◎
ヴィラ・モリーノ・ロッソ / ヴィラ・モリーノ・サルトリ
アーモンド、青りんごのフレーバーがはちみつ、レモンを引き立てる
ヴィラ・グラッキオ ビアンコ テッレ シチリアーネ IGT /
ヴィラ・グラッキオ
もっと手軽に楽しみたい方には温めるだけのこちらがオススメ!
わざわざ作るのはちょっと面倒、という方のために、すでにフレーバーが付いているホットワインがこちらです。温めるだけでできるので、誰でも手軽に楽しめます!
本場ドイツのグリューワイン
マリエンゴールドグリューワイン / マリエンゴールド
はちみつとジンジャー風味のホワイトホットワイン
マリエンゴールド グリューワイン ジンジャーハニー / マリエンゴールド
珍しいりんごのシードルベースのホットワイン
ホットアップルワイン / ラシャス
ホットワインの国ごとの特徴
厳しい寒さに見舞われるヨーロッパの各地で、クリスマス前後によく飲まれているホットワイン。それぞれの地域で、伝統的な飲み方が受け継がれています。
ドイツ「グリューワイン」
ドイツやドイツ語圏であるオーストリア、スイスなどでは、ホットワインのことをグリューワインと呼びます。ヴァイナハツ・マルクトと呼ばれるクリスマス・マーケットが冬の風物詩となっていますが、そこで飲まれる定番ドリンクがグリューワインです。
ヴァイナハツ・マルクトは寒い屋外で開かれているので、グリューワインにラム酒やブランデーといった蒸留酒(じょうりゅうしゅ)や、ノワゼット、アマレットといったリキュールを加えてアルコール度をアップし、身体をさらにポカポカにします。
ドイツなどではグリューワイン用のミックススパイスも販売されており、日本でもそのミックススパイスを買うことができます。また、家庭でつくるホットワインだけでなく、スティルワインのようにボトルに入れられていて、温めるだけで飲むことができるホットワインも市販されています。
蒸留酒入りのホットワインは、「蒸留酒を一振り加えたグリューワイン」という意味を持つグリューヴァイン・ミット・シュスと呼ばれます。
フランス「ヴァン・ショー」
ワイン大国フランスでは、ホットワインのことをヴァン・ショーと呼びます。フランスといえば街角にカフェが多くありますが、寒い時期になってくるとメニューにヴァン・ショーが登場。アルザス地方など白ワインの名産地では、赤ワインではなく、ヴァン・ショー・ブランと呼ばれる白ワインを使ったホットワインも飲まれています。
北欧「グロッグ」
スウェーデンやデンマーク、ノルウェーなどの北欧では、ホットワインのことをグロッグと呼んでいます。
北欧では家庭で飲まれることが多く、赤ワインにスパイス、オレンジピール、砂糖を加えて、皮なしの無塩アーモンドとレーズンを入れるのが特徴です。
ワインを吸って柔らかくなったアーモンドとレーズンは、そのままワインと一緒に食べてもいいですし、取り出してお菓子作りに活用することもできます。
ホットワインが体がポカポカになるヒミツ
アルコール効果
アルコールが分解されて排出される途中に作られるアセトアルデヒドには、血管を拡張する作用があり、血行が良くなります。アルコールを飲むと体が熱くなるのはそのためです。
また、多くのホットワインで使われる赤ワインには、身体を温める食べ物の色である赤い果皮を、皮ごと発酵させて造られるので、身体を温める作用があるとも言われています。
スパイス効果
ホットワインに使われるシナモンやクローブ、スターアニス、カルダモン、ナツメグといったスパイスには、どれも血行促進作用や身体を温める作用があります。そのため、一般的なホットドリンクよりも、身体がポカポカしたという実感が得られるのです。
また、白ワインでつくるホットワインにはジンジャーが使われます。加熱したジンジャーには身体をじんわりと温める効果がありますので、果皮の成分が入っていなくても、体がポカポカ温まるのです。
柑橘(かんきつ)効果
オレンジやレモンなどの柑橘系フルーツには体を温める作用があります。冬至にゆず湯に入ると体の芯から温まるので納得です。
ホットワインで寒い冬も美味しく温かく過ごしましょう!
本格的に寒くなってくるこの季節。冬場の寒さを凌ぐための飲み物として、ヨーロッパでは古くから親しまれているホットワインで、身体を温めてみませんか。
フルーツとスパイスの香りが心地よく、リラックス効果は抜群。ほんのりとした甘さが、身も心もホッと癒してくれるでしょう。アルコールの弱い方にもオススメです。自宅でも手軽に楽しめるので、ぜひチャレンジしてみてください!