ここまで来た!おいしいノンアルコールワインの選び方
ワイン愛好家の中には、「ワインの味は好きだけれど、アルコールが苦手」という人も、少なくありません。そこで、今回はノンアルでも本格的なワインの味を楽しみたい人のために、ノンアルコールワインの種類や特徴をご紹介します。
アルコールの入っていないワインというと、「ブドウジュースと同じでは?」と思われる人もいるのですが、そんなことはありません。ワインならではのコクや酸味を同じように持ちつつ、アルコール分だけを控えているのが、ノンアルコールワインです。通常のワインと同じように、料理とのマリアージュも楽しめます。
アルコールが苦手な方も、ノンアルコールワインを通して、ワインの魅力を知っていただけたら嬉しいです。
ノンアルコールワインとは?
ノンアルコールワインとは、アルコール度数1%未満のワインのことです。まったくアルコールが入っていない場合もありますが、ノンアルコールワインと書かれていても、微量のアルコールが含まれていることもあります。
通常のワインはアルコール度数が10~15%ほどあるので、アルコールが苦手な方には抵抗があるかもしれませんが、ノンアルコールワインなら安心して飲むことができるでしょう。
ノンアルコールワインには、大きく分けて2種類あります。ひとつは「脱アルコール製法」で作られたノンアルコールワインです。通常の製法でワインを作った後で、アルコール分だけを取り除きます。ワインならではの渋味や深みが残り、より本格的な味わいを楽しめるという特徴があります。
もうひとつは、「非発酵法」で作られたノンアルコールワインです。アルコールを生成させずに、ブドウ果汁に果皮や種子を漬けて醸すマセラシオンという製法を用い、果実の濃厚な甘みや風味が味わえます。
ノンアルコールワイン |
酒税法の定義 |
アルコール度数1%未満 |
製法 |
脱アルコール製法 |
非発酵法 |
|
ワイン製造後、アルコール分を除去
<3つのアルコール除去方法>
・蒸留法
・逆浸透法
・揮発性物質回収法
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アルコールを生成させずに、マセラシオン(ブドウ果汁に果皮や種子を漬けて醸す)を行う |
分類 |
清涼飲料水 |
ブドウジュース(ブドウ果汁入り飲料) |
アルコール度数 |
1%未満 |
0.00% |
特徴 |
ワインならではの渋味や深みが残り、より本格的な味わい |
果実の濃厚な甘みや風味がある |
ノンアルコールワインとブドウジュースの違いは?
ノンアルコールワインとブドウジュースは、同じようでまったく異なります。スーパーやコンビニのジュースコーナーで販売している一般的なブドウジュースは、ブドウを絞った果汁をそのままボトルに詰めています。
それに対してノンアルコールワインは、濃密なブドウの味わいやワイン特有の酸味を持ちつつ、アルコールだけを控えています。
特にワインと同じように造った「脱アルコール製法」のものは、ブドウ果汁を発酵させてつくるため、樽香や熟成感はワインそのものです。
「非発酵法」で作るノンアルコールワインは、分類としてはブドウジュースになりますが、一般的なブドウジュースとはやはり異なります。ワイナリーがワイン用ブドウ品種で造る非発酵タイプは、濃密なブドウの味わいと、ワイン特有の酸味やコクが味わえます。
ノンアルコールワインとブドウジュースの味の違いは、飲み比べてみればすぐにわかるでしょう。ノンアルコールワインは、ワインと同様に料理とのマッチングも楽しめるので、アルコールの苦手なワイン愛好家に親しまれています。
ノンアルコールワインを選ぶ4つのポイント
1.味わいで選ぶ
ノンアルコールワインの味わいには、甘口・やや甘口・辛口の3種類があり、料理やシチュエーションによって飲み分けることができます。ノンアルコールワインは全体的には甘口が多めですが、スッキリした味わいが好きな人は、辛口やスパークリングを選んでもいいでしょう。
作る料理によっても、味わいの選び方は違ってきます。その日の料理によって、ピッタリ合うノンアルコールワインをチョイスするのがベストですね。
2.ブドウ品種で選ぶ
ブドウの品種によっても、ノンアルコールワインの味はだいぶ違ってきます。ワイン用のブドウ品種には、シャルドネやカベルネ・ソーヴィニヨン、メルローなどがあります。これらの品種を使ったノンアルコールワインなら、よりワインの本格的なテイストが味わえるでしょう。
最もワインの味わいに近いものを選びたい場合は、ワインをつくった後でアルコールを抜く「脱アルコール製法」のノンアルコールワインがおすすめです。
3.タイプで選ぶ
ノンアルコールワインも、通常のワインと同じように赤ワイン・白ワイン・ロゼワイン・スパークリングワインと、さまざまな種類があります。
つくる料理によって、ビーフストロガノフなら赤ワイン、アクアパッツァなら白ワイン、カルパッチョならスパークリングワインというように、いろいろな種類を使いわけてもいいですね。
ボディも、フルボディからミディアム、ライトまでさまざまなタイプがあります。パーティか、夫婦二人だけかなどによっても、選ぶべきタイプが違ってくるでしょう。
その日、そのときのシチュエーションや料理に合わせて、さまざまなタイプのノンアルコールワインを楽しみましょう。
4.アルコール度数で選ぶ
ノンアルコールワインはアルコール度数1%未満ですが、アルコールが苦手な人の場合、0.1%と0.9%では感じ方もだいぶ異なります。
また、ノンアルコールワインという名称が付いているので、「車の運転をするときでも大丈夫」と思ってしまいがちですが、それは間違いです。もし飲んだ後に車の運転をする場合は、「アルコール0.00%」を選ばなければなりません。車の運転者は、たとえ0.1%でもアルコールは摂取できないので、十分に注意しましょう。
おすすめノンアルコールワイン
ノンアルコールワインを選ぶうえで大切な4つのポイントについて解説してきました。
ここではおすすめのノンアルコールワイン7本を4つのポイントと共にまとめてご紹介します。
上記の7本については以下のコラムでも飲み口やペアリングについて解説しています。是非ご覧ください。
まとめ
ノンアルコールワインは、通常のワインと同じような樽香や熟成感を味わいながら、お酒の苦手な人でも高い満足感を得られる飲み物です。
「自分はお酒が飲めないから」「今日は車で来たから」というような人でも、ワインを飲む人と同じようにその場の充実感を感じながら、ひとときを過ごせるでしょう。
赤ワインから白ワイン、スパークリングまで、種類もさまざまあるので、シチュエーションや料理に合わせていろいろなノンアルコールワインを楽しんでみてはいかがでしょうか。