ワインをより楽しむ為に!知っておきたいセルフテイスティングテクニック!
ワインを試飲して品質を確かめるテイスティング。一般的にソムリエが行いますが、ご自身でも「セルフテイスティング」ができるようになれば、よりワインの奥深さが楽しめるようになることでしょう。今回はテイスティングの起源や歴史といた基礎知識から、心構え、チェックポイント、練習方法までテイスティングのいろはをご紹介します!
そもそもテイスティングって何?
冒頭でもご説明したように、テイスティングはワインを口に含んで品質を確かめること指します。ワインの香りはしっかりしているか?味に変な点はないか?色合いは劣化していないか?など様々な方向から品質のチェックを行います。
テイスティングをする機会が多いのは、なんといってもワインの専門家であるソムリエです。ソムリエ資格試験の実技科目にもなっており、精確なテイスティングができないとソムリエにはなれません。そこで、テイスティングやソムリエの起源や歴史について見ていきましょう。
もともとは毒味だった
物騒な話ですが、テイスティングとはもともと毒味のために始まりました。時はさかのぼり、中世ヨーロッパ時代。戦争も多く、ワインに毒を入れて敵を殺害するという事件もしばしば起こりました。
当時は貴族社会で、貴族の下には大勢の使用人がいました。その中の一つとして、「オフィシエ・ド・ソンム(officier de Somme)」と呼ばれる人たちがいたのです。彼らは物資の調達や荷物の運搬などを担当していて、扱う品物の中にはワインも含まれていました。
ソンムは調達あるいは運んだものに対して責任を持たなければいけません。もし、自分が調達したワインに毒が入っていようものなら取り返しがつかないことになってしまいます。そこで、ソンムがワインの毒味も担当することになったのです。これがテイスティングの起源と言われています。
テイスティングのプロ、ソムリエとは?
次第にソンムたちの仕事も変容していきました。今のソムリエの原型が生まれたのは18世紀。フランス革命で王政社会が終焉すると、王族に仕えていた人たちは失業します。当時のフランスでは、ソンムにあたる人は「ソムリエ(sommelier)」と呼ばれていました。彼らはワインや食事の知識を活かし、街にレストランを開くようになりました。これが、今の「ソムリエ」につながってくるのです。
これまでワインは樽に貯蔵されていましたが、瓶詰めの技術が発展して多種多様な商品が市場に出回りました。そのなかで、料理や自分の好みにあったワインを選ぶのも難しくなってきました。ソムリエたちはワインに関する知識と舌を使い、お客さんの代わりにワインをテイスティングして提案するという役割が求められるようになったのです。
現在は世界中でワインが作られるようになり、商品も多様化し、ますますワイン選びが難しくなってきました。ワインの味を見極める専門家であるソムリエは、今やレストランをはじめとした飲食店には欠かせない存在です。
ワインでテイスティングが重要な理由とは?
この平和な現代では、ワインに毒が混入されるというような物騒な事件はほとんど起こりません。にも関わらずテイスティングが行われているのはなぜでしょうか?なぜ、わざわざテイスティングを行わなければいけないのでしょうか?
ここからは現代におけるテイスティングの目的についてご紹介します。
腐敗・劣化の確認がメイン
ワインに毒が混入されていなくても、腐敗していたり劣化していたりということは考えられます。そのような物を大切なお客さまに出すわけにはいきません。現代ではワインが腐っていないか?劣化で味が変わってしまっていないか?をチェックする意味合いが大きくなっています。
ちなみにワインがブジョネ(腐敗)という状態であればお店側に取り替えることが要求できます。コルクにカビが生えていて、ワインが腐った雑巾のような異様な臭いがします。もちろん、ワインは厳重な管理の上運搬・保管されているのでまず考えられないことですが、不幸にもブジョネのワインに当たってしまったら、安全のためにも取り替えてもらいましょう。
こうして考えてみると毒味という意味合いはなくなりましたが、それに近いニュアンスは現代のテイスティングでも残っているのかもしれません。
ただし、ワインが腐っていることもまずありませんので、基本的にテイスティングは儀式のようなものだと捉えておけばよいかと思います。
テイスティングの心構え
繰り返しになりますが、もともとテイスティングは毒味の意味合いがありました。特にホストテイスティングはゲストを招くホスト自らがワインを飲むことで、毒が入っていないことを証明するものです。そのため、ゲストにお願いするのはタブーです。
ソムリエやゲストが見ている中でテイスティングを行うのは緊張するかもしれませんが、難しい感想やコメントを言う必要はありません。ワインの見た目を確認し、スワリング(軽くグラスを回すこと)して、一口飲んで「問題ありません」とソムリエに告げればいいのです。
ワインの品質はソムリエが厳重に管理しているはず。腐敗したもの(ブジョネ)や劣化したものが出てくるなどということはめったにありません。よほど変な味や臭いが感じられたらソムリエに尋ねてみればいいのです。
あくまでホストテイスティングは儀式。これも一つのサービスだと思って楽しみましょう。ちなみに、テイスティングは断ることもできます。どうしても煩わしく感じられたら事前にお店に伝えておきましょう。
なお、シャンパーニュやスパークリングワインなどの泡ものは、普通のワインとは少し違ったポイントがあります。後ほど、ワインの種類ごとにテイスティングのコツをご紹介しますので、楽しみにしていてください。
テイスティングのポイント3つ
先ほどワインのテイスティングの方法を簡単にご説明しました。正直にお伝えると一般の方が本格的にワインの良し悪しを見極めるのはほぼ無理です。プロのソムリエでさえ、産地や品種を完璧に回答することは難しいくらい、ワインは奥深いものです。
でも、テイスティングのポイントを押さえておくことで、よりお酒の席が楽しめるようになり、もし品質が悪いワインを出されたとしても格好良く見抜くことができます。以下のようなポイントをチェックしてみましょう。
<チェックするポイント>
色の濃淡
まずはワインの色をチェックしてみましょう。赤ワインは色の濃さでワインの品質を見分けることができます。しっかり熟成されたワインは色が濃く、渋み成分であるタンニンや色素がしっかりと含まれています。逆に色が薄いワインは比較的若く、渋みも少ないです。
白いテーブルクロスやナプキンを背景にしてワイングラスを少し傾けると、ワインの色がわかりやすくなります。
年数がそれほど経っていないのに色が濃いワイン、あるいはレンガのような色合いをしているワインは要注意。劣化して意図せず熟成が進んでいる可能性があります。また、色が薄すぎるのも問題。あまり熟成されていなかったり、成熟していない果実が使われていたりして、品質が低いワインの可能性があります。
清澄度
次にワインが澄んでいるかどうかを確認しましょう。ワインの透明度が高ければ高いほど品質が良いワインと言えます。逆に濁っている場合は劣化している可能性があります。また、澱がしっかり取り除かれていなくてワインの中を漂っていることもあります。他にも異物が混入されていないかチェックしてみましょう。
これも色と同様に、白いテーブルクロスやナプキンを背景にして少し傾けることで確認しやすくなります。
粘度
ワインの粘り気についてもチェックしてみてください。ワインの粘度が高ければ高いほど、アルコールやグリセリンなどが多く含まれ、長期熟成に耐えられる質が高いワインだと言えます。逆に粘度が低いワインはあまり熟成されていないワインです。
テーブルの上でスワリングして、グラスの壁からワインが下に流れるのを観察することで、粘度がわかります。粘度が低いワインは水のようにサッと流れ落ちます。粘度が高いワインは少しゆっくりめに流れます。
ちなみに、このときに流れるワインのことを、「ワインの足」や「ワインの涙」と呼びます。「粘度は足(涙)で確認する」と覚えておくと良いかもしれません。
テイスティングの基準ができる!おすすめ練習用ワイン
ワインのテイスティングにはある程度の慣れが必要となってきます。色や清澄度、粘度を見極めるためには、基準を知っておかなければいけません。また、テイスティングの所作も慣れていないとぎこちないものになってしまいます。
しっかりワインを見極めて、かっこよくテイスティングをするためには練習が第一。とはいえ、気合を入れすぎる必要はありません。ワインとおつまみを楽しむついでに身につけていけばいいのです。(ワインを飲む口実にもなります)
そこで、わかりやすいスタンダードな味わいのワインと、それに相性ぴったりのおつまみをご紹介します。ぜひ、楽しみながらテイスティングを身に着けましょう。
しっかりとしたタンニンと果実味が楽しめる赤ワイン
赤ワインなら「テヌータ・ディ・ブルキーノ イル・ブルキーノ ロッソ トスカーナ」がおすすめ。黒ブドウに加えて、チェリーやブルーベリー、バルサミコのようなフレッシュな香りと、甘草やバニラのようなまろやかな飲み口が楽しめます。タンニンもしっかりと含まれていて、渋みと果実味の調和が取れている、「ザ・赤ワイン」のようなスタンダードな一品。このワインの特性を知っておくことで、ご自身のなかでテイスティングの一つの基準ができるでしょう。
やはり赤ワインには濃厚な味付けのもの、特に赤い色の料理が相性ぴったりです。牛サーロインステーキやトマトクリームのパスタなどがおつまみとしておすすめ。しゃぶしゃぶやすき焼きなど、和食ともよく合います。
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これぞ白ワイン!鮮やかな酸味をたっぷり楽しもう
白ワインのテイスティングなら「アーサー・メッツ ゲヴェルツトラミネール」がおすすめ。白ぶどうの栽培がさかんなドイツ産の白ワインです。ちなみに、ドイツでは白ワインが主流。しかも甘みのあるものが人気です。
こちらもまろやかな甘みが感じられてさっぱりしているので、女性の方や渋みが苦手な方も飲みやすくなっています。鮮やかな黄金色。スパイシーでデリケートな香り。マスカットやライチのような果実味がしっかりと味わえます。
すっきりとした味わいなので、シーフードと相性ぴったり。特に白身魚や牡蠣と合わせると最高です。あっさりとした和食にもよく合います。
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スパークリングワインの泡立ちと共にさわやかな辛口を
スパークリングワインなら「ヴィーニャ・マール・シャルマ・ブリュット」を試してみてください。チリの陽の光と海のそよ風を受けて育ったピノ・ノワールやシャルドネが使われています。小麦色が輝く上品な色合いで、熟したピーチやグレープフルーツのような香り。果実味あふれるフレッシュでさわやかな味わいです。
やはりスパークリングワインは食前酒にぴったり。軽めの前菜と合わせるのがおすすめです。
ちなみに、スパークリングワインやシャンパーニュのテイスティングも赤ワインや白ワインと同じように見た目や味を確認しますが、それに加えて泡もチェックしてみましょう。泡が細かく長く続くものほど質が高いです。
また、ガス抜けしてしまうのでスワリングは行いません。注いだままの状態で、泡がどのように発生するか確認しましょう。
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楽しみながら練習してテイスティングをマスターしよう
テイスティングができればワインの良し悪しが見極められるようになります。また、まわりの人から「この人通だな」「カッコいい」と思われるという嬉しい効果もあるかもしれません。テイスティングは絶対できなければいけないというものではありませんが、ワインを楽しむならマスターして損はありません。ご自宅で楽しみながらトライしてみましょう。
今回ご紹介したおすすめのワインはすべて「AEON de WINE」で扱っています。いずれも非常にリーズナブルなのでテイスティングの練習にはぴったり。他にもさまざまなワインを取り扱っていて、詳しい解説や口コミも掲載しています。選びやすくなっているので、ワイン初級者におすすめです。ぜひご覧ください。