オレンジワインの魅力とは?
おすすめのオレンジワインと合う料理をご紹介!
汗ばむ日が徐々に増え、お酒がおいしい季節になってきました。ビールやチューハイを楽しむ人が多いかもしれませんが、実はどんな料理にも合い、暑い時期にピッタリのワインがあります。
それが、ワインに詳しくない方からは「ぶどうではなくオレンジからできたワイン?」という反応が必ず返ってくる、オレンジワイン!
赤・白・ロゼに続く第4のカテゴリーとして認知度がアップし、近年ではフードペアリングの幅広さから、世界のトップソムリエを始め、国内外の多くのレストランで採用されています。
今回は「ワインなのに、なんでオレンジ色!?」という素朴な疑問から、家飲みにおすすめのオレンジワインと合う料理をご紹介。オレンジワインのルーツや魅力を知って、ご家庭に定番の1本にしてくださいね。
オレンジワインの色味は、世界文化遺産に登録されている醸造法にあり!
オレンジワインは名前の通りオレンジがかった見た目が特徴ですが、分類としては「白ワイン」です。生産地ではオレンジワインという表現は使われておらず、「アンバーワイン」または「ゴールドワイン」と呼ばれています。 世界最古のワイン生産地で、温暖な気候を生かしたワインづくりが今でも盛んに行われているジョージアを中心に、イタリア・フリウリ、アメリカ・カリフォルニア、オーストラリア、ニュージーランド、フランスなど世界各地の生産者に加え、日本でも多く作られています。
赤・白・黄でもなく、オレンジ色はぶどうの使い方に秘密あり?
白ワインなのに、オレンジ色をしている理由が気になりますよね。それは、オレンジワインが「白ワイン用のぶどう」を「赤ワインのように醸す」方法で造られているからです。
通常の白ワインは、白ぶどうの搾汁から果皮と種子を取り除いてから発酵させます。ですが、オレンジワインの場合は赤ワインのように、果皮と種子も一緒に仕込みます。
すると、赤ワインが黒ぶどうの色味を纏うように、オレンジワインも果皮や種子に含まれる成分が抽出されたことで、オレンジのような、またはアンバーやゴールドのような橙がかった色合いに。それだけでなく、皮由来の香りや渋み、旨みといった白ワインが本来持っていないはずの要素も加わり、独特の風味をもったワインが生まれるのです。
オレンジ色を生み出す、世界最古のワイン醸造法
オレンジワインが生まれたジョージアでは、「クヴェヴリ」を用いた醸造方法がとられていました。「クヴェヴリ」とは、粘土でできた素焼きの卵型の壺です。これを地中に埋めて、果皮・種子ともに漬け込む方法で造られてきました。
約8,000年前から続いている伝統的な製法で、現代のワインの起源とも言われており、2013年にはユネスコ世界文化遺産にも登録されています。
それを再現した昔ながらの醸造法によってオレンジがかった色味と、通常白ワインには感じられない果皮由来の苦みや風味が加わり、独特の味わいが生まれるのです。
より旨みが欲しい、更に自然な形で白ワインを造りたいという生産者たちは、この醸造法に衝撃を受け、自らの国でもオレンジワインを作り始めました。これが、オレンジワインが世界へ広まっていったきっかけです。
今では「自然派ワイン」とも呼ばれており、日本でもナチュラルワインブームの流れで、オレンジワインブームが到来しています。
オレンジワインの2つの魅力
オレンジワインと一言で言っても、さっぱりとした白ワイン寄りのものもあれば、とろりとした濃厚なものもあり、その味わいは千差万別です。醸造法や期間によって、味わいの違いは生まれます。白や赤と同様にオレンジワインもまた知れば知るほど面白くなる奥深さを持ち合わせているのです。
1:オレンジワインは、どんな料理にも合わせやすい
ワインと料理のペアリングは難しく、それが原因でなんとなく手を出しづらいという方も少なくありません。しかし、オレンジワインにはどんな料理とも合わせやすいという特徴があります。白ワインの味わいをベースに、赤ワインの特徴でもある苦みの「タンニン」や独特の「スパイス感」、それらが合わさった「複雑な味わい」を持ち合わせている為、一般的な白ワインと合わないとされている食材や料理にも、ほどよくマッチするのです。
つまり、オレンジワインが1本あれば、前菜、魚、肉とどんな料理があってもワインでのフードペアリングを楽しみやすいということです!
例えば魚であれば白身からマグロ、貝類、ブイヤベースや西京焼きまでと幅広く、合わせづらいとされているスープとも、果皮由来の旨味が強いので発酵食品や出汁の効いた和食などにもよく合います。
2:オレンジワイン≒自然派ワイン(ナチュラルワイン)
オレンジワインが昨今急速に支持を得てきた理由として、その醸造法が添加物をあまり用いずに済む点が挙げられます。先にも書きましたが、白ワインを作る際は、皮や種を取り除きます。そのため、自然の酸化防止剤であるタンニン(皮や種に含まれる)を持たず、赤ワインに比べると亜硫酸(酸化防止剤)が多めに必要となります。これは実際にEUの規定でも「白ワインは赤ワインより若干多い亜硫酸を含む」と認められていることからも明らかです。
しかし、オレンジワインは皮や種を取り除かずに作るため、赤ワインと同じように酸化防止剤の役割を果たすタンニンを含みます。結果として亜硫酸の添加を控えたワイン造りが可能となり、いわゆる自然派のワインになるのです。
添加物の少ない最新のワインとして、オレンジワインはナチュラルワインブームに乗り、世間に認知されました。現在では、ナチュラルワイン生産者以外もオレンジワインを造るほど一般的なカテゴリーになっています。そうした天然由来の作り方であることもオレンジワインの魅力であることには違いありません。
オレンジワインを今夏のお供に!おすすめオレンジワイン4選
以前は「古典的で、飲む人を選ぶ上級者向けワイン」というイメージがあったオレンジワインですが、認知が広がるにつれてイメージが一新!さまざまな料理に合わせやすい、初心者にもおすすめのワインとなっています。
今回はそんなオレンジワインの中から、今夏の1本として特におすすめの4本をご紹介します。
1:ユネスコ無形文化遺産製法で造られるオレンジワイン
キシ クヴェヴリ/ キシ クヴェヴリ
キシ クヴェヴリに合う料理
さまざまな料理と合うのがオレンジワインの特徴ですが、例えばローストしたチキンやグリルした野菜を挟んだサンドイッチなどと相性良好です。少し焦げ目の付いた鶏肉や野菜がキシ クヴェヴリのフルーティーな香りを引き出します。他にもチーズやデザートとの相性も抜群です。
2:山梨県産の甲州ぶどうを使ったオレンジワイン
2022 プレステージクラス オランジェ / ルミエール
2022 プレステージクラス オランジェに合う料理
日本産というところから特に和食と相性が良いところが特徴。例えば天ぷらや鍋料理との相性が良く、このワインの香り豊かで柔らかい味わいが料理の旨味を引き立ててくれます。和食以外にもシーフードピラフとも相性が良く、海の幸を使った軽やかなピラフと合わせることで、暑い夏の日でもさっぱりと楽しむことができます。
3:サクラアワード2025ゴールド受賞のオレンジワイン
マラベル スプマンテ マルヴァジア オレンジ ペットナット / マラベル
マラベル スプマンテ マルヴァジア オレンジ ペットナットに合う料理
パスタやリゾットなどのイタリア料理との相性が特によく、微発泡の特性が料理の風味を引き立ててくれます。柑橘系の香りは食事全体に爽やかさを付け足してくれるため、オリーブやサラミなどと一緒に食前酒として楽しむことで、暑くて食欲が減り気味な時期でも食欲を掻き立ててくれます。
4:“キング・オブ・スペイン”のワイナリーが手掛けるオレンジワイン
2023 ヴィーニャ・エスメラルダ・フロール・ド・ランジュ / トーレス
https://www.aeondewine.com/shop/g/gA106-4582679924697/ >>
スペインの名ワイナリー”トーレス”が手掛けたこちらのワインは、モスカテル・デ・アレハンドリアという白ブドウを使用し、ステンレスタンクで14日間発酵させて造られています。
華やかな香りが特徴で、マスカットやオレンジの花のアロマが広がります。口当たりはフレッシュで、しっかりとした味わいが感じられ、果実味が豊かです。トーレスは、数々の受賞歴を持つワイナリーであり、品質の高さが証明されています。このワインは、親しみやすい味わいで、さまざまなシーンで楽しむことができます。
2023 ヴィーニャ・エスメラルダ・フロール・ド・ランジュに合う料理
しっかりとした味わいに仕上がっているため、生ハムやカマンベールチーズなどの軽めのアペリティフと相性が抜群です。フルーティな味わいと華やかな香りが、これらの食材の風味を引き立て、食事を一層楽しませてくれます。軽やかな飲み口なので、食前や食後のリフレッシュにも最適です。
オレンジワインで、夏の家飲みをより充実させよう
赤・白・ロゼに次ぐ、第4のワインとして人気急上昇中の「オレンジワイン」。合わせられる料理の幅が広いだけでなく、お手頃なものからとっておきの一本まで対応できるようバラエティに富んでいるため、夏の家飲みをさらにワンランク引き上げてくれる1本になりそうです。
また白ワインや赤ワインと比べることでワインの美味しさ、奥深さを知ることにもつながると思います。
是非この機会に、最古の醸造法であり、最先端のトレンドとしてワインを知り尽くせるオレンジワインを家飲みのお供に追加しませんか?