キレのある辛口白ワイン「シャブリ」のおいしさの秘密【基礎知識&おすすめ5選】
キリッと辛口で爽やかな「シャブリ」は、魚介を使った料理にぴったりの白ワイン。和食にも合わせやすく、暑い夏に冷やして楽しむのもおすすめです。
「シャブリはどうしておいしいの?」
今回は、そんな素朴な疑問に答えつつ、シャブリのおいしさの秘密に迫ります!
目 次
- シャブリの特徴
- シャブリはフランスの二大ワイン産地「ブルゴーニュ」の白ワイン
- シャブリの美味しさの秘密はミネラル感!
- シャブリは厳格なワイン法で守られている
- シャブリの選び方
- シャブリ グラン・クリュ(Chablis Grand Cru)
- シャブリ プルミエ・クリュ(Chablis Premier Cru)
- シャブリ(Chablis)
- プティ シャブリ(Petit Chablis)
- シャブリの楽しみ方
- シャブリおすすめ5選
シャブリの特徴
シャブリはフランスの二大ワイン産地「ブルゴーニュ」の白ワイン
シャブリは、ボルドーと並ぶフランスワインの銘醸地ブルゴーニュ地方のシャブリ村で生産されています。他のブルゴーニュの白ワインと同じく、シャブリもシャルドネというブルゴーニュ原産の白ブドウ100%で造られています。
ブルゴーニュ地方は北海道と同じ緯度に位置し、シャブリはさらにその北端にあることから非常に冷涼な地域です。ブドウが熟さないため糖度が低く、ワインも酸味がシャープになり、アルコールのボリューム感を抑えたライトで辛口なスタイルに仕上がります。
シャブリの美味しさの秘密はミネラル感!
シャブリの特徴は「辛口」だけではありません。その最大の魅力は「ミネラル感」です。そしてミネラル感を育む秘密が土壌にあります。
シャブリの土壌はキンメリジャンと呼ばれる特別な地質です。この地域は1億5千万年ほど前、海の底にありました。そのため牡蠣などの貝殻の化石が混ざり、石灰質でミネラルが豊富な土壌になったのです。
海のない内陸の産地で造られるのに、潮の香りがするのは不思議ですが、これこそがシャブリがシャブリたる所以なのです。ほのかな潮の香りを放つミネラル感とシャープな酸のバランスが心地よく、爽やかでキレのある飲み口は、最初の一口で「おいしい!」と思わず唸ってしまうほど。白ワインが好きな人にシャブリファンが多いのも納得のおいしさです。
シャブリは厳格なワイン法で守られている
シャブリの歴史は古く、12世紀まで遡ります。ポンティニー修道院の修道士たちが、ワイン造りを始めました。冷涼な気候とキンメリジャン土壌はシャルドネ種の栽培に最適で、高品質な白ワインは国王の食卓に出されるほど、広く知られるようになりました。
シャブリは高品質のワインとして、フランスのパリから世界へと広まっていきました。しかし、人気が高まるにつれて、世界中で偽物が出回るように。シャブリだけでなく、ボルドーやシャンパーニュなど他の銘醸地のワインも同様の被害に遭っていました。
そこで20世紀になると、フランス政府によってフランス産ワインの品質保全と保証のために「原産地統制呼称制度AOC(Appellation d’Origine Contrôléeアペラシオン・ドリジーヌ・コントロレ)」が設立されました。ブドウの種類、栽培方法やワインの造り方に厳しい基準が設けられました。シャブリは、シャブリ地区で作られたものだけが「シャブリ」を名乗ることが許され、それ以外は違法となったのです。シャブリのラベルには、「Appellation d’Origine Contrôlée」と明記されています。
シャブリの選び方
シャブリはAOCのなかで畑の格付けにより、以下の4つのランクに分類されています。
シャブリ グラン・クリュ(Chablis Grand Cru)
日当たりの良い特級畑で収穫されたブドウのみを使った最高峰のシャブリで、全体の収穫量のわずか1%と非常に希少価値が高いワインです。
ブドウの持ち味を最大限に引き出し、10年以上の長期熟成に耐えうるポテンシャルを併せ持っています。熟成させると香りがさらに芳醇になり、角がとれて酸味がまろやかになり、凝縮した味わいが楽しめるようになります。
シャブリ プルミエ・クリュ(Chablis Premier Cru)
特級畑につぐ一級畑で収穫されたブドウから造られます。生産量はシャブリ全体の14%とグラン・クリュよりも多く、そのため畑によって味わいの変化が楽しめます。長期熟成にも耐えうるポテンシャルがあるので、熟成させてまろやかな味わいを楽しむこともできます。
シャブリ(Chablis)
生産されているほとんどがこのクラスで、日本でも手に入りやすいワイン。生牡蠣にぜひ合わせてほしい王道シャブリです。
プティ シャブリ(Petit Chablis)
シャブリ特有のキンメリジャンではない畑のブドウから作られています。長期熟成はさせない早飲みタイプで、カジュアルに楽しめます。
シャブリの楽しみ方
シャブリに合う料理
和食におすすめ
フランスでも「シャブリといえば生牡蠣!」と言うほど鉄板の組み合わせですが、シャブリのミネラル感は、海老、イカ、ホタテ、鯛やヒラメのような白身の魚にも相性バツグンです。
刺し身のように繊細な素材の味わいを楽しみたいときには特におすすめで、酸味がスダチやカボスのような役割を果たし、素材を引き立ててくれます。ポン酢で食べるしゃぶしゃぶや、酢飯にもよく合うのでお寿司にもおすすめです。
また鰹や昆布でとった和風だしの風味を損ねることもないので、野菜の炊合せやおひたしにもOKです。
さらに熟成を経たものは味わいに厚みがあるので、天ぷらなど脂分のあるしっかりした料理にも合わせることができます。
魚貝におすすめ
熟成させない若いシャブリにはハーブのような青い香りがあるので、サラダ仕立てに仕上げた魚貝のカルパッチョがおすすめです。また、あさりやホタテのバター炒め、魚や甲殻類のグリルなどにも相性が良いです。ミネラル感が豊かなので魚貝全般オールマイティに楽しめます。
シャブリの飲み方
飲み頃の温度
グラン・クリュ、プルミエ・クリュは10~12℃くらいで。あまり冷やしすぎてしまうと香りや味わいが閉じてしまうので、冷やしすぎないようにしましょう。
シャブリ、プティ・シャブリは冷蔵庫でキリッとよく冷やして飲みましょう。
シャブリおすすめ5選
希少なビオディナミのプティ・シャブリ!
2018 プティ・シャブリ / ジャン・マルク・ブロカール
ブルゴーニュの雄が手掛ける高品質シャブリ
ブシャール・エイネ・エ・フィス シャブリ / ブシャール・エイネ・フィス
期待を裏切らない安定のおいしさ
ルイ・ジャド シャブリ・シャペル・オー・ルー / ルイ・ジャド
グラン・クリュの隣の畑で作られる高コスパワイン
2018 ドメーヌ・テストゥ シャブリ リヴ・ドロワ / ドメーヌ・テストゥ
パーカーポイント90点!三ツ星シェフも高評価
2017 ラ・シャブリジェンヌ シャブリ・レ・ヴェネラブル / ラ・シャブリジェンヌ
辛口「シャブリ」はハレの日におすすめしたいワイン
いかがでしたか?
辛口ワインの代名詞「シャブリ」の奥深い魅力をおわかりいただけたでしょうか?
魚介類を中心とした洋食や、和食全般に合わせやすいシャブリ。1,000円代で買えるものから1万円以上するものまで幅広い価格帯があるので、気分やシーンで選ぶことができます。お寿司やしゃぶしゃぶ、カニとともにお正月などのハレの席にもおすすめです。
AEON de WINEでは、辛口白ワインの代名詞であるシャブリだけを集めたコーナーをご用意しております。お気に入りの一本をぜひ見つけてください!