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ソムリエになるにはどうしたらいいの?

誰しも「ソムリエ」という職業を一度は耳にしたことがあるかと思います。では「ソムリエって具体的に何をする人?」「どうやったらなれるの?」と聞かれたら何と答えますか?正確な答えをご存知の方はあまりいないのではないかと思います。

今回はレストランなどでワインをおいしく楽しむためのお手伝いをしてくれるソムリエにスポットを当ててみましょう。ソムリエを目指している方も必見です。

ソムリエって何?

さて、さっそく冒頭の問に対する答えに迫ります。仕事内容や「ソムリエ」という言葉の語源など、ソムリエに関する基礎知識を深めていきましょう。

●ソムリエとは?
ソムリエはワインに関する仕事をするホテルやレストランのスタッフです。おすすめのワインを紹介してくれたり、説明をして注いでくれたりする人というイメージがあるかもしれませんが、それ以外にもワインの管理や仕入れなど、幅広い仕事を担当しています。

ワインについて精通し、聞かれたら何でも答えられる。適切な仕入れやお客さんがおいしくワインを楽しむための温度管理もできる。ワインのスペシャリストなのです。

ソムリエの語源はラテン語の「sagmarius」「saumarius」と言われています。日本語にすると「荷役用の牛馬」という意味。この言葉が12世紀にフランスに入って、「sommier」というフランス語が生まれます。当時は「王様の食事を運ぶ荷車」という意味で使われていたようです。13世紀になると、「sommelier」という言葉に変化し、「動物の使い手」という意味合いになりました。彼らはワインを積んだ馬車を操り、王様の旅に随行するのが仕事でした。これが転じて、後には宮廷で食事やワインの管理をする人を指すようになったと言われています。

現在の「ソムリエ」の原型が生まれたのはフランス革命が起こった18世紀と言われています。革命で王政が崩壊したことで、宮中の食事やワインを管理していた「sommelier」たちは仕事を失うことになるため、街でレストランなどを開くようになりました。そこで働く人たちを「ソムリエ」と呼ぶようになり、現在のような意味合いが定着したのです。

ソムリエの資格を認定する団体は2つある!

ソムリエを名乗るためには資格が必要です。日本では「日本ソムリエ協会(JSA)」と「全日本ソムリエ連盟(ANSA)」という2つの団体が試験を行い、ソムリエ資格を与えています。

●日本ソムリエ協会(JSA)とは?
もともとは「飲料販売促進研究会」という名称で、1976年に日本ソムリエ協会に改称。1986年には国際ソムリエ協会に加盟し、日本で唯一ソムリエ資格を運営する団体となりました。

ソムリエを名乗ることができる「ソムリエ資格試験」、ソムリエ資格の上位資格である「シニアソムリエ」、一般の方でも取得できる「ワインエキスパート」「シニアワインエキスパート」など、幅広い資格制度を運営しています。

過去には「ワインアドバイザー」「シニアワインアドバイザー」という資格もありました。これらは現在それぞれ「ソムリエ」「シニアソムリエ」に統合されています。

●全日本ソムリエ連盟(ANSA)とは?
NPO法人料飲専門家団体連合会に属する組織の一つ。1997年に創立されたため、日本ソムリエ協会よりも歴史は浅いですが、全日本ソムリエ連盟もソムリエ資格を運営しています。

資格取得のための講座も行っていて、通信教育などを受けた後で試験を受け、合格すると資格を取得することができます。「ソムリエ」という名称のほか、「ワインコーディネーター」という名称も選択が可能で、資格を取得したらいずれかを名乗ることが許されます。

●ソムリエ、ワインエキスパートとの違いを徹底解説!
ソムリエと並んでワイン関係の資格として有名なのがワインエキスパート。

ソムリエ資格試験は受験要件があり、「アルコール飲料を提供する飲食サービス」「ワイン・酒類飲料の仕入れ、管理、輸出入、流通、販売、教育機関講師、酒類製造」「アルコール飲料を取り扱うコンサルタント業務」のいずれかを3年以上経験し、一次試験日の時点でも従事していることが条件となります。ワインエキスパートはこうした受験要件はありませんので、ワインに関わる仕事をしていなくても取得することができます。

筆記試験とテイスティング試験があるのはソムリエもワインエキスパートも共通ですが、ソムリエ資格試験にはそれに加えてサービス実技の試験もあるという違いがあります。

受験条件がなく、ワインエキスパートはワイン愛好家の方が自分の知識を証明する、レベルアップを目指すという目的のために取得するケースもあります。

●ワイン検定ってどんな試験?
ワイン検定も日本ソムリエ協会と全日本ソムリエ連盟が運営している民間資格です。ワインに関する基礎的な知識の普及を目的としていて、初級者向けの内容となっています。

そのため、仕事で活用するというよりも、趣味で取得するという意味合いが濃い資格と言えます。

いずれの団体でも試験内容は筆記試験のみ。ワインの歴史や造り方、マナーや楽しみ方、雑学といった親しみやすい内容が出題されます。日本ソムリエ協会では試験前に講習があり、ワインの知識を学ぶことができます。

●マスターオブワインになるには
「マスターオブワイン」はワインの資格としては最高峰で、世界でもっとも難しいと言われています。世界中で保有者は340人で、そのうち日本人は2人しかいません。
このマスターオブワインになるためには、イギリスのワイン専門教育機関が開催する「WSET Level 4」という超難関資格に合格し、6科目の筆記試験と目隠しをされてテイスティングをするブラインドテイスティング、1万語以上という指定がある論文試験を突破する必要があります。

●ソムリエの歴史、ワインエキスパートの歴史
日本におけるソムリエ資格の歴史は前述のとおり、1986年に日本ソムリエ協会が国際ソムリエ協会に加盟することでスタートしました。これまで3万人以上が資格を取得し、ソムリエという称号を得ました。さらに、1997年には全日本ソムリエ連盟が発足、もう一つのソムリエ資格制度が日本でスタートしたのです。

ちなみに、ワインエキスパートはソムリエ資格よりも後発で1996年にスタートし、これまでに1万5,000人が取得しました

●ソムリエとワインエキスパートになるメリットとは!?
ソムリエやワインエキスパートの資格は医師資格や司法試験のような国家資格や免許ではありません。取得していなかったとしてもワインに関わる仕事をすることができます。

しかし、ソムリエやワインエキスパートを取得することで、ワインの知識がより深まり、ホテルやレストランなどでソムリエとして働けるようになります。特にワイン好きの方で、ワインに関わる仕事をしたい方にとっては自分の知識を仕事で活かせます。

また、飲食店の経営者がソムリエやワインエキスパートの資格を取得することで、お客さんからの信頼アップにつながります。ワインの適切な仕入れや管理ができるようになり、ワインと料理のマリアージュも考えられるようになるので、サービスの向上にもつながります。

●日本と海外のソムリエ資格のちがいとは
海外でも日本と同様にソムリエ資格制度があります。むしろ日本は後発といえるかもしれません。

本場であるヨーロッパの多くの国ではソムリエ資格は民間資格ではなく国家資格となっています。それだけソムリエを名乗るハードルが高く、同時に地位も高いものになっているのです。

特に世界一のワイン大国であるフランスは、パリ・ソムリエ協会が認定する教育機関で一定期間教育を受け、難関試験を合格しないと資格を取得できません。それだけに、ソムリエは社会的な信用度が高く、資格を持っていれば就職に困らないようです。

イタリアでもソムリエは国家資格で、イタリアソムリエ協会が運営しています。フランスと比べると比較的条件がゆるく、年齢制限以外は受験条件がありません。

●ソムリエ、ワインエキスパートに向いている人はどんな人?
もちろん、ワインが好きであること、ワインに興味があることは必須と言えます。ただし、自分が好きだからと言ってむやみやたらに自分の好みを押し付けるような人は向いていないと言えるでしょう。

「良い時間を楽しんでいただきたい」「お客さまに合ったワインを飲んでいただきたい」という気持ちを持った方、サービス精神の持ち主が、ソムリエの仕事に向いています。

また、ソムリエは常に多くの知識を学び、お客さまに伝えなければいけません。いろんなことに興味を持ち、うまく伝えられるコミュニケーション能力があれば、ソムリエとして活躍できるかと思います。

まとめ

今回の記事で知っているようで知らないソムリエについて理解を深めていただけたかと思います。次にレストランでワインを飲む際には、ソムリエの働き方ぶりにも注目してみてください。

これから資格を取得される方は日本のソムリエの資格試験について把握し、それぞれの試験内容にあった勉強をしていくことが重要です。決して低いハードルではありませんが、ぜひ諦めずにチャレンジしてみてください。

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