ワインセラーに興味をお持ちの方必見!選び方のポイントをお伝えします!
ご家庭において、皆さんはどこにワインを保存・保管されていますか。ご存じのように、ワインはデリケートな飲み物です。気温や湿度など保存条件を適切保つことで、よりおいしくワインを楽しむことができるのです。
ワインをおいしく味わいたいものの、ご家庭でワインに適した条件をキープできる場所はそう多くはないはずです。そこでおすすめなのがワイン専門の貯蔵庫「ワインセラー」。ワインを理想的な条件で保存できるワインセラーの魅力と選び方のポイントを解説します。
ワインセラーってそもそもどんなもの?
ワインセラーとは、ワインに最適な環境を保ちつつ、貯蔵できる保管庫です。ワインに最適な環境とは具体的には次の条件を満たしていることです。
- 一定の温度が保たれている(理想は12℃~15℃)
- 湿度も一定(高湿度の70%~80%)
- 涼しい暗所で、直射日光や紫外線の影響を受けない
- 振動のない静かな場所
- 風通しがよく、他の食品や薬品などからの匂い移りなどがないところ
- ルク栓の乾燥しないようボトルを横に置ける場所(ワインに空気が入らないようにするため)
家庭の冷蔵庫や床下収納などでは、これらすべての条件を整えることは難しいでしょう。ワイン専門の貯蔵庫であるワインセラーは、ワインにとって理想的な条件をかなえる保管場所になるのです。
また高価なイメージのあるワインセラーですが、比較的リーズナブルな家庭向けの商品も発売されています。特にワインの長期保存をしたい場合、ワインセラーでの保管が適しています。
ワインセラーを使用する3つの目的
デリケートなワインは、保存環境次第でおいしくなり、逆に劣化のリスクも秘めた飲み物です。
おいしくワインを楽しむためには、品質を保持し、飲みたいときに飲み頃な温度で飲めるのも重要なイントです。
ワインセラーで保存すると、品質保持に加えて最適な温度をキープできます。加えて、ワインの肝である「熟成」もワインセラー保存によりかなえられる利点の1つです。ワインセラーに保存する3つのメリットを詳しくご紹介します。
品質をしっかり保ちます
お酒の中でも、外部環境の影響を受けやすく、少しの変化で風味が変化するワイン。とてもデリケートなワインの保存には、ワインの性質にあった正しい保存をする必要があります。どんなにおいしいワインを入手しても、適切に保存しなければ品質の低下はさけられないからです。特に30度以上の高温で保存された場合、化学変化を起こして品質が大幅に劣化する「熱劣化」に陥ってしまいます。
ベストな保存状況におかれなかったばかりに、せっかく買ったワインの品質が低下するのはもったいないことです。その点、ワインセラーは、温度や湿度、光や振動などワイン保存に適した条件を兼ね揃えた貯蔵庫です。さまざまな面からワインを守り、品質保持に大きく貢献しています。
飲み頃の最適な温度をキープ
ワインの魅力を最大限に感じられる飲み頃はワインの種類によってわかれます。例えば赤ワインのフルボディ(重口)はあまり冷やしすぎず、常温に近い15℃前後がおすすめの飲み頃とされます。一方
白ワイン・ロゼワインは甘口か辛口かにもよりますが、少し低めの温度の7~14℃前後が、本来の魅力が楽しめる適温です。
ワインセラーなら、7~18℃など自由に温度設定が可能です。取り出してすぐ、飲み頃のワインをいただくことができるのも、ワインセラーならではのメリットといえるでしょう。
熟成させることでより美味しく
長い年月寝かせておくと、ワインの味わいや香り、色は変化します。いわゆる「熟成」と呼ばれるものです。長い年月をかけて熟成したワインは、芳醇で繊細な魅力を持つヴィンテージワインとして愛されています。一部のワインでは「熟成」は付加価値となり、愛好家の間で高値取引されているのです。
熟成とは、ワインの成分である有機酸や糖、アントシアニン、タンニンなどの化学変化です。どんなワインにも起こりうる変化であり、実は劣化であるともいえます。ワイン保存に適していない条件下にどれだけ寝かせておいてもおいしいワインになるわけではないのです。
風通しがよく、高湿度・温度変化の少ない場所、つまりワインセラーで管理して寝かせてこそ、ワインにとって理想的な熟成が実現します。
冷蔵保管がおすすめできないワケ
ワインにとって最適な条件の1つは、一定温度が保てる上での保存です。一般家庭の冷蔵庫は、ワイン保管以外の用途で使われますから、開閉頻度も高くなります。開閉するごとに外気が入りますから、温度変化は避けられません。
また、湿度を調整する機能がありませんから、ワインのコルクが乾燥し、風味や品質の劣化が起こります。さらに開閉の回数が多いほど、冷蔵庫に振動が起きやすくなります。振動もワインの貯蔵にはNGです。冷蔵庫での保管は、ワイン以外の食品からの匂い移りの可能性も出てきます。
ワインを冷蔵庫で保管するのをおすすめしないのは、このような理由からです。特に一時的な保管ではなく、長くワインの風味を楽しみたいのなら、専用のワインセラーでの保管がベストな方法だといえるでしょう。
個人で購入する人増加中!家庭用ワインセラーが大人気
一定温度と湿度を保ち、熟成にも向くワインセラー。繊細なお酒であるワインをおいしく楽しむためには、最適な保管場所だということは、ワイン好きに広く知られています。しかし、ワインセラーといえば高価でかつ、スペースを取るアイテムだという印象をお持ちの方もいるかもしれません。店舗など限られた場所で使用される特別なもので、一般家庭への導入は難しいと考えられてきました。
実は最近、お手頃価格のワインセラーもたくさん登場しているのをご存じでしょうか。1万円台のリーズナブルなワインセラーもあり、サイズも家庭で楽しめるような小型セラーも増えています。またコロナ禍により、おうちでワインを楽しむ方も増えています。そんな家飲み需要に応えるべく、ワインセラー業界も多様な製品を開発しているという背景もあります。
ワインセラーとワインクーラーは違うもの!
ワインを楽しむ人が増える中、さまざまなワインセラーも登場してきているとお伝えしました。ワインの保管場所として、ワインセラー以外にワインクーラーというアイテムを聞いたことはありませんか。両者の違いは、加温と冷却機能の有無です。温冷どちらの機能も有するのがワインセラーで、冷却に限定されるものをワインクーラーと呼ぶのが一般的です。
ただ、ワインセラーを扱うお店では、温める機能がないワインクーラーをワインセラーと呼んで販売する場合がほとんどです。冷却機能だけが必要なら問題ありませんが、冷温両方の機能を有するワインセラーを購入するときには、より注意が必要になりますね。
ワインセラー選びのポイントを抑えよう!
リーズナブルで小型の商品が増え、ワインセラーはより身近な存在となりました。シンプルな機能のみのものから、多機能なもの、またサイズにより値段は異なります。何本ワインを保管したいか、保管期間はどのくらいか等など、用途や目的によって必要な機能は違うでしょう。
当然、ご自宅の設置スペースや、かけられる予算も関係してきます。そこで以下に、ワインセラーを特徴や機能別に区分し、それぞれのメリット、デメリットを含めてご紹介していきます。どのような観点でワインセラーを選べばよいのかを見極めるための参考にしてみてくださいね。
知っておきたい冷却方式
冷却はワインセラーの機能の大きなポイントとなります。冷却するためのシステムは、コンプレッサー式、ペルチェ式、熱吸収式(アンモニア方式)の3つに大別されます。冷却する方法によって特徴が異なり、効率やパワー、コストなど各々違いが生じます。それぞれの冷却方式のメリットやデメリットがあり、使用目的によっておすすめのワインセラーも異なってきます。それぞれのワインセラーの個性を理解し、好みやライフスタイル、予算などに応じて選ぶといいでしょう。
当然、ご自宅の設置スペースや、かけられる予算も関係してきます。そこで以下に、ワインセラーを特徴や機能別に区分し、それぞれのメリット、デメリットを含めてご紹介していきます。どのような観点でワインセラーを選べばよいのかを見極めるための参考にしてみてくださいね。
コンプレッサー式
冷媒を利用するのがコンプレッサー式の特徴です。液体が気化するときに周りの熱を奪う気化熱を使って冷却する方法で、冷媒を循環させる際にコンプレッサー(圧縮機)を用います。冷媒を使うという点は冷蔵庫と同じです。効率よく冷却、加熱が可能で、パワーも大きいのがメリットです。
冷却力が高く、中、大型のワインセラーでメインに使われる方式でもあります。消費電力も少なく、コストが少ないのも利点といえます。保管したいワインの本数が多い場合におすすめの方式です。
デメリットは、モーター音がすること、振動があることです。しかし最近は低振動タイプも多数販売されています。
ペルチェ式
2種類の金属に電力を流すと、1つは発熱し、もう1つは吸熱するという仕組みをペルチェ効果と呼ばれています。ペルチェ式とは、このシステムを利用し、冷却するタイプのワインセラーです。振動や音が少なく、比較的リーズナブルな製品が多い利点があります。
一方、冷却効率がよくない傾向にあり、電気代などコストがかさむのがデメリット。加えて、加温機能がない製品もあります。パワーも弱く、小型のワインセラーに使われます。
熱吸収式(アンモニア方式)
コンプレッサー方式と同じように冷媒の気化熱を利用する方式ですが、冷媒にはアンモニアを使います。冷媒の循環にはヒーターを用いるのが特徴です。音は静かなものの、パワーが小さく、コンプレッサー式より効率も悪いのがデメリット。電気代などコストもかかります。
熱吸収式(アンモニア方式)は持ちがよく、昔から続けて使われてきた製品も多くあります。
配置スペースと収納可能本数で選ぶ
自宅に設置できるワインセラーとなれば、省スペースが第一条件となるでしょう。ワインセラーそのものの大きさ(縦・横・奥行のサイズ)はもちろんですが、放熱スペースも考慮して選ぶ必要があります。放熱スペースとは、ワインセラーと設置場所の壁の横や後ろのすき間のこと。放熱スペースがないと、冷却効率の低下につながりかねません。
近年のワインブームで、魅力的なワインをお手頃に入手できる機会が増えました。さまざまなワインをある程度所持し、高価なとっておきのワインをお持ちならば、中級~上級者向けのコンプレッサー式ワインセラーを購入するのがおすすめです。ワインの熟成こだわらず、頻繁に飲む方で本数もそれほどないのであれば、小型のペルチェ方式でもOKです。
収納本数が大きいワインセラーを買ってしまうと、ついつい新しいワインを購入してしまい、きりがなくなってしまいます。管理できる範囲内でのワインをたしなむ心がけも大切です。
年間電気使用料金を考慮してできるだけ省エネなものを選ぶ
ワインを熟成し、風味や香りの変化を楽しみたい場合は長期間の保存が前提となります。その間ずっとワインセラーを稼働させておくのですから、年間の電気使用料も気になるところです。
ワインセラーの仕様として、定格消費電力が記載されていることがあります。これは最大消費電力と同じ意味で、このセラーの最大の力を用いたときにかかる電力を表しています。いつもフルパワーで稼働しているわけではないので、年間の電気使用量を測定するのには向いていません。メーカーが記載する、JIS規格のある年間消費電力量を用いるのが正しい方法です。
コンプレッサー式のワインセラーであれば記載義務があります。3つの冷却方式の中で消費電力が少なく、電気代が安いのもコンプレッサー式です。本体価格がリーズナブルなものの、年間の消費電力で考えると高コストなのがペルチェ式となります。長く使うのなら、初期投資があってもコンプレッサー式のほうがトータルでお得になる場合も出てくるのです。
これだけ違う?代表的なワインセラーメーカーとは!
冷却システムなどの機能面だけでなく、ワインセラーメーカーによって個性あふれる製品が存在します。ここからは、ワインフリークなら耳にしたことのある3大ワインセラーブランドの製品をご紹介します。どのメーカーのワインセラーにも長所もあれば、短所もあります。使用目的や条件に加え、機能や実用性、デザインなどは好みの分かれるところかもしれません。
3大ワインセラーブランドの歴史から製品の特徴まで、選び方の決め手となるポイントと合わせてお伝えします。
ロングフレッシュ
ロングフレッシュは、1987年よりワインセラーを製造販売しているワインセラー専門メーカーです。特筆すべきポイントは日本のメーカーである点でしょう。繰り返しになりますが、ワインの貯蔵には温度と湿度が一定である必要があります。ただ、日本には四季があります。温度や湿度の変化が著しい日本では、よりワイン管理が難しいのです。日本で生まれたロングフレッシュは、日本の気候を知り尽くし、徹底的な品質管理を強みとするブランドといえるでしょう。
コンプレッサー式を採用したパワーのある冷却システムも特徴の1つ。オリジナルの加湿循環方式を採用し、ヨーロッパのカーヴ同様の貯蔵庫を実現しています。フランス語である「カーヴ」とは、でワインの地下貯蔵庫を意味します。温度や湿度が一定で、音や光、振動の影響を受けないため、天然のワイン貯蔵庫として活用されてきました。カーヴの環境を実現するワインセラーがどれほど素晴らしいかがわかりますね。
ロングフレッシュはワインをメイドインジャパンの高品質な製品ですから、故障しづらいのもメリット。また観音開きのため、貯蔵するワイン全体が見やすく、出し入れがしやすいのも◎。アフターケアも充実していますから、何かあった際のレスポンスも早いです。
一方、サイズによっては収納しづらいデザインであり、背の高いものや大きなボトルの貯蔵に難があるのがデメリットとなっています。
ユーロカーヴ
1976年、フランスで温度管理機能の付いたワインセラーを発売したのがユーロカーヴ。以来、ヨーロッパはもとより世界中で愛される実力派のワインセラーブランドです。
天然のワイン貯蔵庫として知られる「カーヴ」が冠されているとおり、安定した温度・湿度を保つ理想的な製品を展開するブランドです。独自の防振対策や紫外線加工など、静かで安定感のあるワインセラーを販売しています。より理想的なワインセラーを実現すべく、今に至るまで進化を続ける姿勢がソムリエからワイン愛好家まで広く人気を集めるゆえんです。
ユーロカーヴは機能面だけでなく、デザイン性にも定評があります。加えて容量も大きいため、シャンパンやブルゴーニュなどの幅広のワインにも対応できるのも魅力的。デメリットは、幅の調整に手間取ること、上下で温度に差があり、ムラが出てくることが挙げられます。防振対策に注力はしていますが、扉を開けたり、閉めたりするときの振動が気になるとの声も聞かれます。
シャンブレア
ベテランの家電エンジニアが1983年、ドイツ・ハンブルクに設立したシャンブレア。ドイツ人のこだわりあふれるワインセラーとして、瞬く間にヨーロッパ各地のホテルやレストランで人気を集めたのです。日本での販売は1998年にスタート。現在は世界中のワイン愛好家に知られるワインセラーブランドとして名をはせる存在です。
ワイン貯蔵に最適な環境を保つため、UVカットの二重ガラスや高密度断熱材の使用など、外気の影響を受けにくい断熱構造を採用しています。上下の温度ムラもなく、省エネを実現、電気代などコストが安いのもメリットです。清潔な加湿方式を工夫したり、防振のための特殊振動吸収マットを使ったりと細部までこだわりを感じさせる仕様も特徴となっています。シャンブレアのワインセラーは、音も非常に静かなのが特徴です。長期保証やメンテナンスなどのサービスも充実しています。
シャンブレアの利点は、レイアウトを自由にできる製品があること。数台を重ね、並べて使える丈夫なつくりとなっており、温度やブドウ品種で分けて管理することも可能です。省スペースにもなります。しかし、実際に重ねて利用しているユーザーからは、重ねて利用するのが難しいという声も聞かれました。スペースなど条件によっては、思い通りのレイアウトが困難だといえるかもしれません。
ワインセラーはワインの楽しみを増やしてくれるアイテム
繊細でデリケートなお酒であるワイン。温度や湿度が一定で、光や音の影響が少ないなど理想的な貯蔵条件にあってこそ、おいしく楽しむことができるのです。またワインを寝かし、熟成を楽しめるのも適切に保存される必要があります。しかし、四季による気温変動が大きい日本では、ワインにとって理想的な貯蔵環境を整えるのは難しいのも事実です。
手頃にいいワインが入手でき、ワイン文化が成熟した今こそ、ワインセラー購入を考えるチャンスです。リーズナブルで家庭に適したサイズのワインセラーも続々登場しています。何となく遠い存在だったワインセラーについて再度見直し、飲み頃のワインを楽しむアイテムとして活用を検討してみることをおすすめします。
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