ワイナリーを知ればもっとワインがもっと好きになる!
日本の人気ワイナリーもご紹介
目 次
- 歴史あるヨーロッパのワイナリー
- シャンパーニュの至宝「ドン・ペリニヨン」は修道士の名前
- 貧困者を救う病院が造り始めた「オスピス・ド・ボーヌ」
- 多彩な魅力!ニューワールドのワイナリー
- 「ナパヴァレー」から始まったニューワールドの快進撃!
- カリフォルニアワインの歴史を作った「ロバート・モンダヴィ」
- イタリア系移民の家庭で育ったロバート・モンダヴィ
- ワイナリーの近代化と発展
- カリフォルニアの至宝「オーパス・ワン」
- 実際にワイナリーを訪れて日本ワインの魅力を発見しよう!
- 日帰りバスツアーも充実!山梨・勝沼のワイナリー巡り
- 夏におすすめのワイン3選!
- ルー・デュモン クレマン・ド・ブルゴーニュ ブリュット / ルー・デュモン(Lou Dumont Cremant de Bourgogne Brut)
- ロバート・モンダヴィ ウッドブリッジ・シャルドネ / ロバート・モンダヴィ(Rbert Mondavi Chardonnay)
- 2018 シャンモリワイン 甲州 / 盛田甲州ワイナリー
ワイン愛が深くなればなるほど、ワインについてより深く知りたくなるものですよね。生まれた背景や歴史、産地ごとの個性など奥深い世界が広がるのもワインの魅力の1つです。そこれ今回は世界を代表する産地であるフランスとアメリカ、そして日本の産地の情報を中心にご紹介。産地ごとにたくさんのワイナリーがあり、それぞれ個性も異なります。ワイナリーを知ることはワインの成り立ちを知ることでもあります。オリジタリティーあふれる人気のワイナリーを知り、ワインの新たな魅力を発見していきましょう!
歴史あるヨーロッパのワイナリー
欧米では古くから親しまれている印象のあるワインですが、いつ頃から存在していたのでしょうか。文献上に登場するのは、紀元前5000年ごろで、ちょうどメソポタミア文明が栄えた時代だとされています。メソポタミアとエジプトを含むオリエントからフェニキア、さらには古代ギリシャへとワイン作りが伝わっていきました。ギリシャからイタリア半島にまで伝わったワイン造りは、紀元前58年頃、ローマ帝国の発展とともに、ヨーロッパ各地にも広く伝播していきます。
時を経て西暦1000年頃、中世ヨーロッパではキリスト教が大きな存在感を示すようになっていました。キリスト教は政治や文化、人々の生活に深くかかわっていたのです。ワインはキリスト教の始祖であるイエス・キリスト「血」とされ、神聖で貴重なものとして扱われるようになります。キリスト教の布教が進む中、ミサに欠かせないワインの需要は高まっていきます。当時の教会や修道院では、ブドウ畑の開墾、技術を磨きワイン造りに勤しみました。そこで、修道士や教徒がさらにワイン造りを発展させていくのです。
シャンパーニュの至宝「ドン・ペリニヨン」は修道士の名前
一般的に「ドンペリ」と呼ばれ、日本でも高い知名度を誇る「ドン・ペリニヨン」。1668年、ちょうど日本では江戸時代の前期にあたる頃のことです。フランス北東部シャンパーニュ地方にあるオーヴィレール修道院で、若き修道士が醸造責任者となります。この修道士こそ、ドン・ピエール・ペリニヨンです。
「世界最高のワインを造る」を使命とし、ワイン造りに心血を注いだピエール・ペリニヨンは、別々のブドウ畑で栽培されたブドウをブレンドするという独創的な手法を生み出します。今でこそさまざまなブドウをブレンドしたワイン醸造は珍しくありませんが、当時としては画期的な試みでした。後にシャンパーニュ地方で用いられるアッサンブラージュと呼ばれる調合製法の礎になったと言われます。さらに、黒ブドウから白ワインを造る圧搾方法も開発しました。
貧困者を救う病院が造り始めた「オスピス・ド・ボーヌ」
「オスピス・ド・ボーヌ」は、フランス東部、ブルゴーニュ地方にあるボーヌで造られるワインです。オスピスは語感から想像できるように「病院」を意味します。1443年、この病院が設立された時代は、百年戦争が終わった頃で、人々の日常は落ち着きませんでした。さらに、ペストが流行、ボーヌには病人や貧困者があふれかえっていたのです。財務をはじめ、ブルゴーニュ公国の要職を歴任したニコラ・ローランとその妻は心を痛め、私財で「オスピス・ド・ボーヌ」を立ち上げたのです。
夫妻は自らが持つブドウ畑を病院に寄進し、ワイン造りをスタートします。そのワインを売った利益は病院の運営にあてられました。現在もその精神は受け継がれ、毎年11月の第3日曜日にはワインオークションが開催されています。街全体が盛り上がる一大イベントとなり、その利益は病院の維持などに使われているのです。
多彩な魅力!ニューワールドのワイナリー
ヨーロッパで広がったワイン造りは、16世紀の大航海時代経て、どんどん世界へ伝わっていきます。古くからワイン造りを続けてきたヨーロッパと比較し、新しくワイン造りをスタートさせた国々を「ニューワールド」と呼びます。
アメリカやチリ、アルゼンチン、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカなどがワイン「新世界(ニューワールド)」の勢力です。日本ワインもニューワールドに当てはまるでしょう。ヨーロッパから羽ばたいたニューワールドのワインについてピックアップしてみました。
「ナパヴァレー」から始まったニューワールドの快進撃!
ヨーロッパ産のワインに引けを取らないワインと言えば、アメリカのワイン。ワイン生産量の上位国としても知られています。そのアメリカ産ワインの大多数を占めるのが、カリフォルニアで醸造されるワインです。アメリカ有数のワイン産地、カリフォルニア州北部にあるのが「ナパヴァレー」です。そこで醸造されるのがナパワインと呼ばれるものです。
カリフォルニアおける「ナパヴァレー」産のブドウの収穫量は4%前後で、家族経営の小規模なワイナリーが多いのもナパワインの特徴です。カリフォリニアワインに占めるナパワインの割合はごくごくわずかなもの。「ナパヴァレー」が希少な高級ワインの産地と呼ばれるゆえんでもあります。
カリフォルニアワインの歴史を作った「ロバート・モンダヴィ」
ナパワイン、ひいてはカリフォルニアワインはここまで発展した礎をつくった人物がロバート・モンダヴィ氏です。現在も氏のスピリットを受け継いだロバート・モンダヴィ・ワイナリーは最高品質のワイン造りを続けています。「カリフォルニアワインの父」とも言われるロバート・モンダヴィの生い立ちや功績を解説します
イタリア系移民の家庭で育ったロバート・モンダヴィ
イタリアのマルケ州から移り住んだ両親のもと、ミネソタ州ヴァージニア生まれたロバート・モンダヴィ。彼の父はワイン用のブドウをカリフォルニアに運搬する仕事に従事し、そのうちに当地に魅了されたといいます。1923年カリフォルニア州ローダイで農園を始めます。
幼い頃は父を手伝い、その後スタンフォード大学を卒業します。その後ロバートは、父が共同経営者となっていたワイナリーで働き、ナパヴァレーへ移住。ナパのワイナリーを手に入れ、父の死後、母や弟と経営を引き継ぎます。しかしさらに、高品質なワイン造りへの挑戦のため、母や弟と離れて独立することになるのです。息子とロバート・モンダヴィ・ワイナリーを立ち上げたのは1966年、53歳の時でした。
ワイナリーの近代化と発展
ロバート・モンダヴィはワインの品質にこだわりました。当時のカリフォルニアワインは、低品質なものが多く、何とかこの地で高品質なワイン造りをしたいと考えていたのです。例えば従来から使用されていたアメリカンオークの大樽から、異なるオーク材や形を模索します。そして高品質なワインを熟成するフレンチオークの小樽にたどり着くのです。また低温発酵など最新の醸造技術にも果敢にチャレンジしました。
経営・マーケティングの知識も持ち合わせていたロバートは、家族経営がメインだったワイナリー事業の近代化にも着手します。ワイナリーでジャズ・クラシック音楽のコンサートを開催したり、美術品の展示会を行ったり、フランスの一流シェフを招いて料理教室を催したりと斬新な試みを続けていくのです。
カリフォルニアの至宝「オーパス・ワン」
カリフォルニアワインを、ニューワールドの代表格までに押し上げたロバート・モンダヴィ。1979年、ワイン界に大きな貢献をしている彼と、フランスのボルドーのシャトー・ムートン・ロートシルトを所有するバロン・フィリップ・ロートシルトと手を携えてワイン造りに着手しました。それがプレミアムワインとして知られる「オーパス・ワン」です。
ワインの伝統国であるフランスの巨匠とニューワールドの重鎮が手を組み、共同でワイナリーを経営して醸造されたワインは特別な存在感を放っています。文化や伝統の違いを融合し、とにかく高品質なワインを追い求めた2人によって造られた、まさに逸品と言えるでしょう。
実際にワイナリーを訪れて日本ワインの魅力を発見しよう!
フランスのブルゴーニュやボルドー、アメリカのカリフォルニアなど世界には魅力的なワイナリーは数多く存在します。しかしわが国、日本にも多彩なワイナリーがあることをご存じですか?
最近、国産ブドウのみを原料とし、日本国内で製造された「日本ワイン」も注目されています。日本各地においしいワイン造りをするワイナリーはたくさんあるのです!産地ではワイナリー巡りなども企画されているのです。おいしい日本ワインを楽しめるワイナリーについてご紹介します。
日帰りバスツアーも充実!山梨・勝沼のワイナリー巡り
日本有数のワインの産地である山梨県は、日本一のワイナリー数を誇ります。明治の頃から続く歴史あるワイナリーから比較的新しいワイナリーまで個性豊かなワイナリーが存在します。ワイン王国山梨にあって特に有名なのが勝沼エリアです。多くのワイナリーが集まる勝沼エリアは、ワイン巡りにおすすめの地域となっています。日帰りバスツアーやタクシーを利用するプランも利用できますので、ぜひ訪ねてみたいですね。
有名ワイナリーが集結!
甲州盆地の東に位置し、ブドウ畑が広がる勝沼には、多くの有名ワイナリーが集まっています。JR東日本中央本線の駅である勝沼ぶどう郷駅は交通アクセスも便利で、気軽にワイナリー巡りが楽しめます。
タクシーで10分程度の場所には、文化財にも認定された「石蔵発酵槽」のあるルミエールワイナリーがあり、ブドウ畑や醸造棟、地下セラーなども見学できるガイドツアーも用意されています(要予約)。またシャトー・メルシャン勝沼ワイナリーもタクシーを使えば8分です。地下セラーをはじめ、1904年に建設された現存する日本最古の木造ワイン醸造所「シャトー・メルシャンワイン資料館」など見所がいっぱいです。
さらに日本を代表する有名なワイナリーであり、甲州ワインの醸造所として長い歴史を持つ勝沼醸造や日本家屋が印象的なくらむぼんワインなど多くのワイナリーが見学可能です(要予約の場所あり)。
ワイナリーの楽しみ方
オーナーやガイドが解説してくれるワイナリーツアーは人数が限られていたり、時間が決まっていたりするのであらかじめ予約しておくのがおすすめです。ワインは「ブドウ」で決まるとよく言われますよね。多くのワイナリーでは自社のブドウ畑を案内してくれます。季節によってはブドウの収穫を見ることができたり、花を楽しめたりとブドウの魅力を知るチャンスでもあります。品種によっては豊かな香りを感じることもできるでしょう。
ワインの貯蔵庫であるカーブ(セラー)で熟成中のワインが試飲できるのも楽しみのひとつです。
テイスティングをしてお気に入りのワインを見つけるのもいいですね。現地でしか試飲できないレアなワインを試飲できるケースも。ボトル詰め、ラベル貼りなどの体験を用意するワイナリーもあります。
さらに勝沼・山梨には名物もいっぱい!ブドウ畑が見えるレストランで、ワイン片手にご当地グルメを堪能するのも◎。ワインとのマリアージュを楽しみながら、その奥深さをじっくり堪能しましょう。
夏におすすめのワイン3選!
りんごを原料にしたシードルは、世界中で愛され、親しまれるお酒です。国によって呼び名が異なりますし、その楽しみ方も地域によってさまざまです。かしこまった楽しみ方から、カジュアルに飲む国まで、各国のシードルスタイルはさまざま。飲み方を含めたお国ごとのシードル事情をピックアップして解説します。
ルー・デュモン クレマン・ド・ブルゴーニュ ブリュット / ルー・デュモン(Lou Dumont Cremant de Bourgogne Brut)
味わい
やや辛口。きめ細やかな泡立ちとさっぱりとした飲み口が特徴。
おすすめ料理
食前酒、また食中酒としても。和食のほか、燻製(スモークサーモン、チーズなど)、油の多い揚げ物にも合う。
ロバート・モンダヴィ ウッドブリッジ・シャルドネ / ロバート・モンダヴィ(Rbert Mondavi Chardonnay)
味わい
辛口。フルフレーバーかつミディアムボディーでまろやか。
おすすめ料理
2018 シャンモリワイン 甲州 / 盛田甲州ワイナリー
味わい
おすすめ料理
まとめ
普段何気なく口にするワインですが、その成り立ちや製造過程、ワイナリーのこだわりを知るとよりおいしく感じられませんか。ワイナリーを知ることはワイン、ブドウを知ることでもあります。ワイナリー巡りや見学はワインに関する知識を深め、楽しみを増やしてくれます。奥深いワインの世界に足を踏み入れる第一歩として、ワイナリーについて学んでみてくださいね。