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今さら聞けない!スパークリングワインとシャンパンの違い?

スパークリングワインの代名詞であり、お祝いの席で人気のシャンパンは、実はごく限られた製品にしか名乗ることが許されていない、格調高いお酒なのです。

今回はわかっているようでわかっていない?シャンパンとはなにか?他のスパークリングワインとの違いはなにか?といったことをご説明します。

シャンパンを名乗るための条件とは?

まず、前提としていただきたいのは、「スパークリングワイン=シャンパン」ではないということです。シャンパンを名乗るためには、フランスワインのブランドを守る目的で制定されたA.O.C法で定められている厳しい条件をクリアしなければいけません。

シャンパン?シャンペン?シャンパーニュ?どれが正しい?

まずは呼び名についてご説明します。「シャンペン」や「シャンパーニュ」という方もいらっしゃいますが、どれが正しいのでしょうか?

実は正式名称は「シャンパーニュ」。フランス語で表記すると「Champagne」です。この呼び方はフランスのシャンパーニュ委員会でも奨励しています。

ちなみに、「シャンペン」とはChampagneを英語読みしたもの。シャンパンは日本にシャンパーニュが伝わったときに、日本人が読みやすいようにアレンジした言葉なのです。正しくはシャンパーニュですが、この記事では私たちに馴染みが深い「シャンパン」と呼ぶことにします。

シャンパーニュ―地方で作られるスパークリングワインのみがシャンパンを名乗れる

決められたアルコール度数と熟成期間

<アルコール度数11%以上で>

シャンパンはショ糖と酵母を加えて発酵させることで、ぶどうに含まれる糖分がアルコールに変化し、炭酸ガスが発生します。

A.O.C法ではシャンパンのアルコール度数は11度以上になるように定められています。そのため、一次発酵をさせた後に、さらにアルコール度数を高める二次発酵が行われます。

<15か月以上熟成期間>
アルコール度数に加えて、熟成期間も厳密にA.O.C法で定められていて、瓶内二次発酵で15ヶ月以上熟成させなければいけません。これほどまでに手間暇をかけることで、ようやくおいしいシャンパンが出来上がるのです。

シャンパンに使えるぶどう品種も決まっている!

さらに、シャンパンには原料として使えるぶどう品種まで規定があります。使えるのは「シャルドネ」、「ピノ・ノワール」、「ピノ・ムニエ」、「アルバンヌ」、「プティ・メリエ」、「ピノ・ブラン」、「ピノ・グリ」の7品種ですが、ここでは代表的なシャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエという3品種の特徴をご紹介します。

<厳選されたぶどう品種>

白ワイン用ブドウの女王

世界で最も有名な白ぶどう品種と言っても過言ではありません。フランスブルゴーニュ地方のシャルドネ村にちなんでその名がつけられたと言われていますが、その真偽は不明です。

ブルゴーニュ地方はもちろん、ジュラ、アルザス、ロワールなどフランス国内の幅広い地域、さらにはイタリア、スペイン、アメリカ、オーストラリア、チリ、そして日本など、世界各地で栽培されていますが、シャンパンで使えるのはシャンパーニュ地方で収穫されたもののみ。

フレッシュな柑橘系に近い果実味と、繊細かつエレガントな、気品高い香りが特徴。「白ワインの女王」とも評されるくらいです。

赤ワイン用ブドウの女王

皮が紫色をしている黒ぶどうの一種です。「ピノ」はフランス語で松、「ノワール」は黒いという意味。見た目が黒いマツボックリに似ているころから、ピノ・ノワールと呼ばれるようになりました。

赤ワインやロゼの原料として有名で人気も高く、世界中で栽培されているぶどう品種です。シャルドネが「白ワインの女王」なら、ピノ・ノワールは「赤ワインの女王」。イチゴやラズベリーなどのフルーツに近い香りと、適度な酸味となめらかさが感じられる味わいです。

ちなみに、黒ぶどうは赤ワインの原料となりますが、皮と種子を取り除けば白ワインやスパークリングワインも醸造が可能。シャンパンも果実のみの状態で作られます。

ピノ・ノワールの親戚、ピノ・ムニエ

ピノ・ムニエは主にシャンパーニュ地方で栽培される黒ぶどう品種です。「ムニエ」とはフランス語で「粉屋」という意味。葉の裏が白くて粉を吹いたようになっているので、こう呼ばれるようになりました。

先ほどご紹介したピノ・ノワールが突然変異してできたものとされているので、赤ワインの女王の親戚と言えます。

ピノ・ノワールよりも色が明るく、酸味が比較的強いのが特徴。ベリー系のフレッシュ感に加えて、きのこやカカオに近い、複雑な味と香りが感じられます。

旨味が増すシャンパンの製造方法

シャンパンはその名の通り「シャンパーニュ製法」という製造方法で作られます。伝統ある昔ながらの製法なので、「トラディッショナル方式」とも呼ばれます。

ぶどうの果実の収穫、圧搾、一次発酵、調合、瓶詰め、二次発酵、動瓶、澱集め、澱出し、ワイン追加、熟成、瓶詰めという工程を経て1本のシャンパンができあがるのです。

スパークリングワインのなかでも特に手間を要し、しかも前述のとおり15ヶ月間熟成させなければいけないので、時間もかかります。

しかし、こうした大変な製法にこだわって作り続けているからこそ、私たちがおいしいシャンパンを楽しむことができるのです。

コスパ抜群で飲みやすい!クレマンのスパークリングワインとは?

さて、どんなお酒をシャンパンと呼ぶのか?他のスパークリングワインとの違いはなにか?ご理解いただけたかと思います。シャンパンは法律に厳密に定められて作られているのですが、その分高価になりがち。最後に、シャンパンと同じ製法で作られる、コスパが高いスパークリングワインについてご紹介します。

<クレマンとは?>
クレマンはシャンパンニュー地方以外のフランス国内の地域で、シャンパンと同じ製法によって作られるスパークリングワインを指します。また、熟成期間もシャンパンと比べて9ヶ月(一部12ヶ月)と短めという違いもあります。原料として使っているぶどう品種はシャルドネやピノ・ノワールなどが中心ですが、その他の品種も使われることがあります。

<コスパが最大の魅力?!>
クレマンの最大の魅力はコスパの高さ。シャンパンよりも規制がゆるくて作りやすいので、価格は若干リーズナブル。それでいて、シャンパンに匹敵する香りや味わい、泡立ちが楽しめます。

また、生産者ごとに個性が感じられるのも特徴。シャンパンよりも複雑性がある味と香りを楽しめるものもあります。種類が多いが故に、マリアージュできる料理の幅が広いのもメリットです。

<ヴァン・ムスー、ペティヤンってなに?>

他にも有名な発泡性ワインとして「ヴァン・ムスー」「ペティヤン」などが挙げられます。ヴァン・ムスーはフランス語でシャンパンを含む発泡性ワイン全般を指し、ガス圧が3気圧以上と定められています。一方、ペティヤンはガス圧が1~2.5気圧という、比較的泡立ちがゆるやかなワインを指します。ぜひ、スパークリングワインを選ぶときにはこうした言葉も頭に入れておくと良いかと思います。

想いをはせながらシャンパンを楽しんでみませんか?

限られた地域で、厳しい規制を守りながら、手間ひまかけて作られるシャンパン。黄金色の美しい1杯にはさまざまな歴史や生産者のこだわりが詰まっているのです。ぜひ、シャンパンを飲まれるときには、想いをはせてみてください。

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