これで失敗しない!ワインを100%楽しむためのワインセラー選び方ガイド
ワインをただ保管しておくのであれば冷蔵庫の野菜室などでも問題ありませんが、より美味しく楽しみたい、本格的にワインを味わいたいのなら家庭用のワインセラー(ワインクーラーとも呼ばれます)を導入されることをおすすめします。一定の温度を維持し、光や振動など外部からの刺激を守って、ワインを美味しい状態に保ってくれます。
ただ、ワインセラーにもさまざまな種類がありますので、ご自分に合ったものを選ぶ必要があります。今回はワインセラーの選び方について考えてみましょう。
そんなに大事!?ワインの保管環境
結論から言いますと、ワインは周囲の環境によって味や香りが大きく変わってしまいます。その中でも一番大きな要素は温度。いったい何℃であればワインが美味しく楽しめるのでしょうか?ワインと温度の関係について見ていきましょう。
ワインは温度が変わると劣化する
ワインは非常にデリケートなお酒です。温度や湿度の変動が激しいと変質してしまって味や香りが悪くなってしまいます。特に夏場に暑い所で保管しておくと劣化が進みやすくなってしまい、飲めなくなってしまうということも。ワインを保存する際には一定の温度と湿度が保たれる場所に保管することを心がけてください。
冷蔵庫でワインを保存しても問題ない?
ワインセラーを持っていない方は冷蔵庫にワインを保存されるケースが多いです。確かに熱や光で劣化する心配はないし、温度の変動もほぼありません。何よりも手軽に保管できるのがメリットです。
「飲めればいい」というのであれば冷蔵庫の野菜室などでワインを保存しても大きな問題はありません。しかし、冷蔵庫に保管しておくと今度はワインを冷やしすぎてしまうので、一番美味しい状態でワインを味わう方法としては不十分と言えます。
また冷蔵庫保管の場合、ワインに微妙な振動を与えるため長期の保存には向かないという点も考慮する必要があります。振動はワインに悪い影響を与えます。
ワインの適温は!?赤ワインも白ワインも同じ!?
赤ワインは少し温度高め、白ワインは冷やして飲むのが美味しいというイメージはありませんか?赤ワインの適温は15~18℃、白ワインは5~10℃と言われていますが、これはあくまで飲むときのワインの温度を指す「サーブ温度」なのです。「ワインが何℃の状態で飲むのが一番美味しいのか?」ということであり、サーブ温度と保管温度はイコールではありません。
実はワインの適切な保管温度は赤ワインも白ワインも16℃と言われています。ですので、基本的に16℃で保管して赤ワインならそのまま、白ワインなら冷蔵庫で少し冷やすと美味しく楽しめます。
ワインを100%楽しむならワインセラーは必須
冷蔵庫の温度は0~10℃くらいなので、ワインを保管するには少し寒すぎることがおわかりいただけたかと思います。やはり、ワインを美味しく楽しむのなら、温度管理が適切にできる専用のワインセラーを使われることをおすすめします。
ワインセラーにはいろんなタイプがある!
ワインセラーにはさまざまなタイプのものがあります。どんなものがあるのか、見ていきましょう。
標準扉タイプ
冷蔵庫のように中が見えないタイプのワインセラーです。扉にも断熱材が使われているので、高い保温性能があります。内部が暗くなるので光による劣化もありません。
ガラス扉タイプ
扉にはガラスが使われていて、収納スペースが見える状態になっています。2層構造のUVカットガラスが使われているので高い断熱効果がありますが、標準扉と比較するとやや低くなります。また、光を通すのでワインセラー自体を暗いところに設置しなければいけません。
ガラス扉タイプの一番のメリットはデザイン性が高いこと。飲食店などでは商品であるワインを美しく見せるためのショーケースとしての役割も兼ねて使われます。
ヒータータイプ
基本的にワインセラーは空気を冷却することで温度管理を行うのですが、冬場など周囲の気温が低くなると温度設定をしても周囲の気温が低すぎて、適温を維持することが難しくなります。ヒーター付きのものであれば、空気を温めることができるので、寒い時期でも一定の温度を保ってワインを保管することが可能です。
【番外】CAVE(カーヴ)
本当に一番良い状態でワインを楽しむなら、CAVE(カーヴ)に勝るものはありません。地下に作られるワインの貯蔵庫のことで、一定の温度、湿度が保たれて、もちろん光も届かないという、ワインにとっては最高の環境です。年代物のワインも、このCAVEで長期熟成させます。
もちろん、自宅にCAVEを作るのは現実できではありませんが、ワインセラーを使うことでCAVEに近い環境を作り出すことは可能なのです。
ワインの楽しみ方で考える、ワインセラーの選び方
ワインの楽しみ方は人それぞれ。「毎日晩酌でワインを楽しみたい」という方もいらっしゃれば、「たまに高級ワインを楽しみたい」「熟成させて楽しみたい」という方もいらっしゃるでしょう。そこで、ここからはデイリーワインと高級ワインそれぞれに合ったワインセラーについて説明します。
デイリーワインの場合
瓶ではなく大きなタンクに入った状態のワインにショ糖と酵母比較的安価なワインを頻繁に楽しむのであれば、ワインセラーも1~3万円の安めのもので十分です。加湿機能も特に必要ありません。温度設定ができる機能があれば問題はないでしょう。を加えて一気に発酵させる方法です。大量生産に向く製法で、空気がワインに触れることがないので果実味も強いスパークリングワインとなります。
高級ワインの場合
高級ワインを長期熟成させて楽しむのであれば、加湿機能付きのワインセラーを選びましょう。空気が乾燥するとコルクが縮んで空気がボトルの中に入り込みます。すると、ワインと空気が触れることによって変質を起こし、味や香りが変わってしまうのです。加湿機能があればコルクが縮むことはありません。ただし、ワインセラーの価格も高めとなります。
冷却方式で考えるワインセラーの選び方
ワインセラーはさまざまなメーカーから数多くの商品が出されていますが、大きく分けて以下の3つの方式のいずれかで温度管理をします。それぞれ特徴を見ていきましょう。
ペルチェ方式
半導体を使って温度を制御する方式です。電気を流すと吸熱するものと、発熱するものの2種類の半導体に同時に電流を流すことで、庫内温度を一定に保ちます。比較的安価なワインセラーに多く使われていて、人気があるタイプです。電気の力で温度管理するので、振動や音が気にならないというメリットがあります。
ワインを数本のみ保管する、デイリーワインを楽しむのであれば、ペルチェ方式でも問題ありません。
アンモニア方式
アンモニアの気化熱を利用したワインセターです。冷却能力はペルチェ式と後述するコンプレッサー式の中間くらい。こちらも振動や音はほとんど気になりません。また、ガスを使った冷却方法なので本体に負担が少なく、長寿命なのもメリットです。一方でペルチェ方式よりも電気代が高くなる傾向があります。
デイリーワインはもちろん、比較的長期間ワインを保存したい方にもおすすめ。対応できる収納本数もペルチェ式よりも多く、10本くらい保管することが可能です。
コンプレッサー方式
冷蔵庫と同様、冷媒とモーターを使って温度を維持する
方式です。冷蔵庫のように音があるのがデメリットですが、最近の商品は極力抑えられていますので、それほど気になることはないでしょう。上記の2方式のものと比べると高価ではありますが、冷却能力も高く長期保管にも向いています。
高級ワインを熟成させて楽しみたい方、大量にワインを長期保存したい方ならコンプレッサー方式がおすすめです。
自分に合ったワインセラーを選べば、ワインが100%美味しくなる!
ワインセラーはさまざまなメーカーから数ワインを美味しく楽しむためには温度管理が一番重要です。しかし、それ以外にも適度な湿度が、空気の循環、振動が少ない、光が当たらないなど、さまざまな環境を整えてあげることが重要。ワインセラーを活用すれば、温度はもちろん、ワインの保管に適した環境をすべて揃えることができます。
ご自身の楽しみ方に合わせてワインセラーを選べば、ワインの美味しさを100%楽しむことができるでしょう。ぜひ、ワインセラーの選び方にもこだわってみてください。
多くの商品が出されていますが、大きく分けて以下の3つの方式のいずれかで温度管理をします。それぞれ特徴を見ていきましょう。